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〈飛躍と前進の「150日」−J〉 建材部門、海外進出も見据え

首都の未来設計を担う

 【平壌発=金志永記者】平壌建材工場のコ・ヨンホ支配人(47)は「150日戦闘」期間に技師長から工場経営の責任者に昇進した。工場関係者だけでなく、外部の人々に会う機会も増えた。試行錯誤を繰り返しながらも、日々の経験が新鮮でやりがいを感じているという。

平壌の「衣替え」

平壌建材工場の外観の一部

 平壌建材工場は2007年に操業を始めたが、敷地内にある6つの職場は03年から試運転という形を取りながら製品を生産してきた。

 タイル、サッシ、洗面台、風呂場などで使用される磁器類、人造大理石、外装材など工場で生産されたさまざまな種類の建材が首都の主な通りと住宅地のリニューアル工事に使われた。

 現在の主な製品供給先は、12年を完工目標に定めた平壌の10万世帯住宅建設の現場だ。

 コ支配人にとって首都の現代化は「人々の衣替え」と同じだという。市民が現代的な住宅に住み、都市が時代の美感に合わせて生まれ変わる−将来、平壌の姿を一新させることを見越しながら、21世紀に入って建材部門には国家レベルの先行投資がなされた。

 平壌建材工場も投資の主な対象だ。生産現場で技術者として働いていたコ支配人は、10万世帯住宅建設の目標が提示された時、過去を振り返りながら、「先見の明」という言葉の意味をかみしめたという。

 「われわれが国産の原料と自前の技術に基づいて建材工業の発展させてきたことは本当に正しかった」

国産の資源で

 コ支配人は「営業」の経験は多くないが、製品の取引などで工場を訪れる外部の人々との面談の場で決して動揺することはない。

 近年、建材工業部門では国産の資源に基づく製品の生産を目指してきた。同工場でもタイル、人工大理石などを国内に豊富な石灰石と大理石で作っている。陶器トイレも、原料の一部を輸入に頼っていたものを国産原料に転換させる対策を講じた。サッシ、外装材などに必要な化学原料も現在リニューアル中の2.8ビナロン連合企業所(咸鏡南道)や南興青年化学連合企業所(平安南道)が本格的に稼動を始めれば自前での解決が可能になる。

 工場がその生産能力をフルに発揮すれば、年間3万世帯の住宅建設と1万世帯の住宅リフォームを行える建材を供給することが可能だという。

 建材工場は平壌建材工場以外にも多い。最近では、金正日総書記が最新設備を備えた大同江タイル工場を現地指導した。大同江タイル工場の生産能力は平壌建材工場の10倍に達するという。

 コ支配人は「10万世帯の住宅建設はぼう大な課題だが、建材供給の問題に限れば、目標達成はすでに保証されたも同然」と自信を見せる。

有利な位置

 朝鮮において生産活動の1次的な目的は国内需要を満たすことにある。需要を満たした後に残ったものが輸出に回される。貿易で上げた利益は国内経済に還元される。

 コ支配人はまた、建材工業部門で国際品質に見合う製品を生産できれば、海外市場を開拓することができると話す。

 建材工業は石灰石などを燃やして製品を作るため、熱量確保にかかる費用を優先的に考慮しなければならない「高エネルギー消費工業」だ。寒い地方ではそれだけ生産費が高くつく。ロシアのウラジオストク以北には建材工場がない。中国遼寧省の瀋陽以北も同様だ。自ら工場を運営するよりも、他地方で生産された製品を購入するほうが費用が少なくすむという。

 「ロシアの場合だと、中国南方地方の工場より平壌のほうが地理的に近い。輸送費などを考えれば彼らは必ずわれわれを選ぶようになる」(コ支配人)

 「150日戦闘」期間にコ支配人が出会った人々の中には、ウラジオストク市の関係者もいた。

[朝鮮新報 2009.9.4]