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人民大学習堂 年内に電子図書館化完了

全国で閲覧可能

 朝鮮で全国のすべての図書館を電子化し、全人民が利用可能な情報サービスシステムを確立する事業が推進されている。ここで核心となるのが人民大学習堂だ。現在、人民大学習堂の電子図書館化が最終段階で進められている。

試験運用開始

 人民大学習堂は国内最大の図書館だ。

 人民大学習堂のホン・ヒョンムン副総長(58)によると、電子図書館化の取り組みは2006年6月から始まった。電子図書館とはデジタル化したデータを通信ネットワークを通じて提供する図書館を指す。

 金正日総書記は07年4月11日に発表した人民大学習堂に関する労作の中で、電子図書館の構築問題について具体的に言及したといわれている。

 人民大学習堂の電子図書館化は、すでに運営されている金策工業総合大学電子図書館の経験を踏まえた方向で進められている。

 ホン副総長は金策工大の経験から学んだ内容として、データをデジタル化する方法論、核心部のサーバー構築、閲覧室の配置とそれらを管理するサービスプログラムなどを挙げる。

 人民大学習堂では現在、サーバー室、電子目録検索室と2つの電子閲覧室を設置して部分的な試験サービスを行っている。

 一方で、学習堂の全蔵書を電子データ化するための作業にも拍車がかかっている。電子図書館は今年中の完成を目標にしている。

地方と連結

 現在朝鮮では全国の道、市、郡、里の図書館を人民大学習堂と通信ネットワークで結び、統一的な情報データサービスシステムを確立するための事業を推進している。

 また金日成綜合大学、金策工大、中央科学技術通報社をはじめとする重要施設の情報データを一つのネットワークで結び、データの共有システムを確立している。一方、データ構築作業を分担推進するシステムも整えている。

 一連の事業の重要なきっかけになったのが、08年12月に行われた慈江道の電子図書館に対する総書記の現地指導だ。国内では慈江道電子図書館をモデルにして、各地で電子図書館を地方独自の力でつくる取り組みが進められている。

 各道図書館は中央と地方を結ぶ情報サービスの拠点となる。

 人民大学習堂はすでに各道の電子図書館とネットワークでつながっている。今後は郡と里の図書館にまで拡大する予定だ。

 関係者らは、これが実現されれば、地方の人びとが平壌に来てデータを探さなくてもよくなり、情報技術に裏づけられた「全民学習」の社会的基盤が完成されると見ている。

 今後、人民大学習堂の電子図書館化にしたがって、地方の図書館を対象にした遠隔講義も実施する計画だ。

 遠隔講義には外国語教育も含まれ、講義を定期的に受けて一定の成績をあげた受講生には各種の資格証も発行されるという。【平壌支局】

[朝鮮新報 2009.6.3]