〈今月の金正日総書記−2月−〉 企業所間の相互連携を強調 |
先月に続き、経済分野への視察が大きな比重を占めた。1、2月の間に金正日総書記が指導した経済単位は24にのぼる。 18の経済単位視察
2月に視察した経済単位は18カ所。咸鏡南・北道、平安北道、江原道、慈江道と範囲も広い。 特徴的なのは、視察を伝える報道が局部的ではあるが、国家の経済建設計画について言及していることだ。 朝鮮経済は今年、「金属工業の優先的発展を基本」にし、「『チュチェ鉄』(国内の原料を利用し独自の工程で生産された鉄)生産の決定的な拡大」などを主要目標とした。 こうしたなか、総書記は金策製鉄連合企業所、羅南炭鉱機械連合企業所(以上21日発朝鮮中央通信)、茂山鉱山連合企業所(23日発朝鮮中央通信)を訪れた。 咸鏡北道にあるこれらの企業所は国内の鉄鋼材生産において重要な位置を占めており、総書記はそれぞれの生産実態を了解し、課題を示した。 一方、8日発朝鮮中央通信によると、総書記は楽元機械連合企業所を訪れ、酸素分離機工場の生産工程を見て回り技術更新の状況と生産の実態を了解した。総書記は昨年11月24日にも同企業所を訪れており、その際「酸素分離機の大量生産」に関する課題を提示したことが明らかになっている。 酸素分離機(=液体酸素製造装置)は、製鉄部門では酸素製鋼法に、化学工業ではアンモニア合成用水素製造のため必要なものだ。 朝鮮でこれまで、酸素分離機は「チュチェ鉄」生産を行う製鉄所や製鋼所などで必要とされてきた。しかし今回は、別の分野がクローズアップされた。興南肥料連合企業所に新設されたガス化方式によるアンモニア製造工程に必要な大型酸素分離機だ。 総書記は、酸素分離機工場に「任務が分担されてから幾日も経っていない」ことに言及し、同企業所が大型酸素分離機を短期間で生産するための準備を活発に行っていることに「大きな満足の意」を表した。 また、そのためには「北中機械連合企業所、竜城機械連合企業所をはじめ関連企業所が受け持った協同生産品を優先的に生産すべき」だとも強調した。 総書記は楽元機械連合企業所視察に先立ち、竜城機械連合企業所(4日発)、興南肥料連合企業所(6日発)を訪れた。 朝鮮が昨年打ち出した「2012年構想」は、人民生活と経済水準を高めることに目的があるが、具体的な数字や内容などは明らかになっていない。その経済水準を高める問題と関連し、総書記の一連の視察や指導を通じ工場、企業所間の複合的な相互連携が可能になったといえる。 総書記は竜城機械連合企業所を指導した際、「基幹工業の現代化のための対象設備をはじめ機械生産でもう一度、飛躍の嵐を起こすべき」だと指摘した。その理由として「人民経済の全部門でさらに多くの機械と対象設備を求めている」ことをあげた。 軍視察に党幹部同行 今月、軍関係の人事異動が目をひいた。国防委員会委員長である金正日・朝鮮労働党中央軍事委員会委員長の名義による国防委員会、軍事委員会の決定によると、金永春・朝鮮人民軍次帥が国防委員会人民武力部長に、李英鎬大将が総参謀長に(以上11日発表)、呉克烈大将が国防委員会副委員長(19日発表)に任命された。 11日発朝鮮中央通信によると、総書記は朝鮮人民軍砲兵司令部管下の第681軍部隊を訪れて砲射撃訓練を視察した。金永春次帥、李英鎬大将などが同行した。 また、朝鮮労働党の金己男書記、張成沢、朴南基、金養建の各部長も同行したが、同通信は彼らを「社会の責任幹部」と表現した。 通常、軍部隊などの視察には軍関係者が同行するが今回、「社会の責任幹部」が同行したことは注目される。ちなみに昨年、朝鮮中央通信が軍部隊視察に党関係者の同行を伝えたのは1月7日発の朝鮮人民軍第776部隊視察の際の一度だけで、その際、李容哲・党中央委員会第1副部長が同行している。(呉陽希記者) [朝鮮新報 2009.3.6] |