top_rogo.gif (16396 bytes)

朝鮮メディア、麻生総理の施政方針演説を非難 「旧態依然」の対朝鮮敵視政策

「朝・日関係の根本忘れる」

 昨年8月の政府間実務会談以降、朝・日関係は断絶状態が続いている。7日発朝鮮中央通信は、麻生太郎総理が1月28日に行った施政方針演説について「まったく新しいものがなく、かつての反朝鮮敵視の立場をそのまま反映している」と指摘した。

根本は過去清算

 施政方針演説で対朝鮮問題に言及した麻生総理は、「拉致、核、ミサイル問題を包括的に解決し、不幸な過去を清算し、日朝国交正常化を実現すべく取り組む」と語った。

 これに対し、同通信は、「朝・日関係問題解決の根本を忘れた日本当局の旧態依然とした政治的駆け引き」だと指摘した。

 また、日本が国交正常化の前提条件に「拉致、核、ミサイル問題解決」を掲げていることについて「被害者に代償を求めるようなもの」だと一蹴。「日本が過去を清算し、対朝鮮敵視政策を放棄しない限り朝・日関係はいつになっても正常化しない」との原則的立場を示した。

「愚かな駆け引き」

 「日本は過去清算を避けながら、われわれから譲歩を得ようとする愚かな政治的駆け引きをやめるべきだ」という朝鮮中央通信の指摘は、これまでも繰り返されてきたものだ。

 朝鮮は、両国間に存在する懸案問題の根本が何であるかについて機会あるたびに強調してきた。

 朝・日両国は昨年6月(北京)と8月(瀋陽)、政府間実務会談を行った。

 6月の会談は、「平壌宣言にしたがって不幸な過去を清算し、国交正常化を実現するため」(08年6月13日、朝・日会談の結果に関する報道文)に開催された。

 会談で朝鮮側は、拉致問題の再調査実施と「よど号」関係者問題解決のために協力する意思を表明。日本側は対朝鮮制裁の部分解除を行うことにしたが、日本側の合意違反により双方の溝が深まった。

 その後、事態収拾のために行われた8月の会談では「互いの関心事項に関して関係の改善という見地から協議を進め、解決に向けて誠実に努力」(朝鮮側が発表した合意内容)することで意見がまとまった。

 しかし、その後、福田総理が突然辞任、麻生新政権は瀋陽会談の合意を継承すると言いながらも具体的な行動を示さないまま昨年10月、4度目となる対朝鮮「制裁」の延長を決めた。「制裁」延長の口実として「拉致問題」の進展がないと説明したが、日本ではこの問題が「政治勢力の政権維持や奪取などの不純な目的を達成するための道具」(08年10月22日発朝鮮中央通信)として使われていると朝鮮側は看破している。

 一方、日本は6者会談でも自らの義務である対朝鮮エネルギー支援を行っていない。

 朝鮮は昨年12月に行われた6者会談に先立ち、「日本を参加国と認めないし、相手にもしないだろう」(朝鮮外務省スポークスマン、08年12月6日)との立場を明らかにした。

「政権運命尽きた」

 朝鮮は麻生政権発足から1カ月が経った時点で、「政権交代のたびに立場を変え、右往左往しながらすべてを投げ出す日本」(労働新聞08年10月22日付論評)との判断を示した。

 最近朝鮮のメディアは、「麻生政権の運命が尽きたのは明らか」(労働新聞4日付)だと指摘している。1月の支持率が20%を割り込んだ事実に言及し、「民心を欺き、汚い政治、反動的な政策を強行」する麻生内閣への「当然の審判」(同上)だと強調した。(呉陽希記者)

[朝鮮新報 2009.2.17]