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神戸朝高創立60周年 3千人集い盛大に祝う 兵庫民族教育の殿堂 力を合わせて発展を

「4.24」の精神受け継ぎ

 神戸朝鮮高級学校創立60周年記念同胞大祝典が11日、同校運動場で行われ、同胞と卒業生、学父母、生徒、そして日本市民ら3千余人が参加した。会場は同胞、生徒の歌や踊り、各種飲食売店など学校創立60周年を祝う参加者たちの熱気に包まれ、同級生や先輩、後輩、恩師たちとの再会を喜び合う笑顔であふれた。

同胞の献身で60年

多彩な公演が行われた

 1部の記念式典では、記念事業実行委員会の李政史委員長の開幕辞に続き、総連兵庫県本部の盧武鉉委員長が朝鮮教育省の祝電を読み上げた。

 祝辞を述べた総連中央の南昇祐副議長は、兵庫の同胞たちはどの地域よりも先に正規の初等、中等教育を実施し、4.24の名称とともに民族教育が命よりも大事だという精神を総連に刻み、祖国と民族に貢献する有能な人材を数多く輩出したと強調。神戸朝高を兵庫同胞社会の拠点、中等教育の殿堂として今後も発展させてほしいと述べた。

 記念報告した同校の黄成鶴校長は、兵庫民族教育の最高殿堂である神戸朝高を60年間守り発展させることができたのは、祖国の支援のもとで1世の偉業を受け継いだ2世、3世同胞たちの献身的な努力があったからだと謝意を表し、60年の業績と伝統を継承し統一祖国の未来を担い21世紀に活躍する人材を育てていく決意を述べた。

 式典では、井戸敏三兵庫県知事の祝賀メッセージが紹介され、歴代の校長、教育会会長とその遺族らに花束が贈呈された。

 2部では特設舞台を中心にさまざまな催し物が行われた。

 舞台では同校生徒と卒業生、県下の朝鮮学校生徒や同胞たち、兵庫朝鮮歌舞団による公演が披露された。また、デイサービス「イオ神戸」「アリラン阪神」に車イスが送られ、歴代のオモニ会会長らが紹介された。

 会場には、オモニ会と女性同盟による各種飲食売店が並び、理科実験、スポーツ体験、ゲームコーナー、写真展、美術作品展などで盛り上がりを見せた。

 相撲大会では西播朝鮮初中級学校中級部が、民謡自慢大会では神戸朝高3年3組が優勝した。

学校と団体が一つに

3千余人の参加者たちでにぎわった

 兵庫の同胞と活動家、教職員、生徒たちは、学校創立60周年を輝かせようと実行委員会を中心にさまざまな事業を展開してきた。

 実行委員会は3月の発足以来、公開授業、大運動会、チャリティーゴルフコンペなどを企画したほか、運動場施設の工事も完成させた。

 李政史実行委員長(20期卒)は「今回の事業は学校創立60周年を祝う同胞、学父母、卒業生らの熱意が一つになったものだ」と誇らしげに語った。

 オモニ会の文直子会長(24期卒)も「学校とすべての団体が力を合わせて事業を展開した結果、多くの人々が集まり行事を成功させることができた」と述べた。

 オモニ会は学校事業に貢献してきた伝統を受け継ぎ、今回も行事の成功に一役買おうと、女性同盟と協力して地域別に飲食売店を出した。当日は、用意したすべての飲食売店で完売を達成し、売上金を学校に寄付した。

 19期卒業生らは、実行委員会が発足した直後から地域ごとに責任者と役員を定め、記念事業の宣伝と基金運動を展開。独自にゴルフコンペも企画し多くの基金を集め学校に寄贈した。

 生徒たちは入学当初から「60周年を迎える年の在校生」であることを自覚し、「朝高の新しい全盛期」を迎え60周年を輝かせようと、学校生活で多くの成果を挙げてきた。

 李政史実行委員長は「記念事業を通じ、人としてどう生きるべきかを気づかせてくれる民族教育の正当性を再確認できた。在日同胞がより良く暮らせるように、まずは支部や分会を活性化させなければならない。そのためにも神戸朝高の卒業生たちが連携を強め団結することが大事。兵庫同胞の潜在力をより発揮できるよう力を注ぎたい」と述べた。

記念事業は継続

 朝鮮大学校教育学部美術科1年の朴千愛さん(55期卒)は「素晴らしい行事を行った生徒たちが本当にうらやましい。学校を輝かせるために汗を流した在校生や同胞たちの表情が輝いていた。行事に参加して多くの力をもらった」と述べた。

 「日朝友好兵庫県民の会」の松田正巳幹事(62)は「行事の規模が大きくて驚いた。垂水に住む一市民として私も何か協力できれば」と語った。

 同級生の間で最初に「ハラボジ」になった総連明石支部大久保分会長の姜勝さん(50)は「同級生たちと久々に会えて楽しい。家の事情で卒業できなかったが、みんな自分のことを覚えていてくれた。神戸朝高に通えてよかった」と述べた。

 11月29日には県下朝鮮学校生徒たちが出演する芸術公演が行われる。また、期別同窓会と学校を支援するための基金運動も引き続き行われている。実行委員をはじめとする活動家と同胞たちは、この日訪れた同胞、卒業生たちの熱意と生徒たちの頼もしい姿に力を得て、記念事業をより幅広く展開していくことを誓っていた。(文=李泰鎬、李東浩、写真=文光善記者)

[朝鮮新報 2009.10.16]