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〈朝大 朝鮮歴史博物館-1-〉 貴重な朝鮮文化の展示品

身近に感じる5千年の歴史

朝大が誇る朝鮮歴史博物館の内部

 1956年4月に創立された朝鮮大学校。1959年6月、東京都小平市に新校舎が竣工し、今年はその50周年をむかえた節目の年にあたる。このような年に、創立25周年を機に建てられた朝鮮歴史博物館(以下当館)を紹介することができることを実に喜ばしく思う。

 当館は1982年4月に開館した。金日成主席と金正日総書記の格別な配慮のもと、祖国から寄贈された朝鮮の歴史に関する展示品を目にすることができる。現在展示されているのは、創立50周年を記念して祖国から贈られてきた60点を新たに加え、06年2月にリニューアルしたものである。

 これに先立ち筆者は、再三祖国を訪れ、朝鮮文化保存総局の担当者と寄贈品についての協議を重ねた。「寄贈品は最新の発掘成果に基づいており、朝鮮中央博物館(平壌市)でさえ見ることのできない大変貴重なものが含まれている」と熱く語っていたのが印象的であった。これらの展示品については、時代背景やそれにまつわるエピソードなどをそえながら、順次紹介していきたい。

 貴重な展示品を誇る当館には、朝鮮学校の生徒や近隣の市民たち、朝鮮史を研究する専門家など、来館者が後を絶たない。「日本で朝鮮を身近に体感できる博物館」「教科書で習ったものを間近でみることができた」など、その反響は小さくない。まさに、日本に住みながら朝鮮を知り、その歴史と文化を実感できるのが当館といえよう。

個性的な550余点展示

入り口では鎧馬武士が出迎えてくれる

 一度来館された方はご存知だと思うが、当館は、図書館後方の建物(記念館)に位置している。

 来館の際にはまず、図書館の横に聳え立つ「広開土王陵碑」(原寸大複製、約6b)を見学されるとよい。高句麗史上屈指の王といわれる広開土王(談徳)の業績を称え、子の長寿王(l)が414年に建てたものである。記念館に入ると、高句麗古墳壁画が目に止まるが、ここの行列図や狩猟図は一見の価値がある。また全身を鎧や冑で武装した騎乗の高句麗武人(鎧馬武士)も見ごたえがある。

 2階は大中の展示室にわかれている。大展示室は原始時代から渤海・後期新羅時代を、中展示室は高麗および朝鮮王朝時代を取り扱っている。大展示室には石器、瓦、土器などさまざまな展示品がならぶが、高句麗古墳壁画はぜひ見てほしい。

 80余点におよぶ壁画は、誇り高い高句麗文化の真髄をよく物語っている。とくに、前室正面に墓誌があり、牽牛と織女などが描かれた徳興里壁画古墳の原寸大模型は、来館者の好評を得ている。中展示室では、高麗王朝をひらいた王建墓の壁画、朝鮮時代に活躍した亀甲船などの人気が高い。その他にも、朝鮮の歴史と文化を伝える550余点の展示品が、整然とならんでいる。

日本の中の朝鮮文化

 朝鮮と日本の人々の交流は、およそ2300年前に始まったとされる。

 当時の朝鮮の人々が、北九州一帯に「渡来」した模様は、佐賀の吉野ヶ里遺跡から出土した銅剣や石器からも窺い知れる。また、奈良の高松塚古墳や飛鳥寺なども、三国時代の朝鮮と深いつながりがある。関東地方では「さきたま古墳群」にある将軍山古墳出土の馬具が高句麗や伽耶地方との交流をはっきりと物語っている。

 当館展示品と日本各地に点在するこのような遺跡との関連についても、随時取り上げるつもりでいる。当館ではこのように、朝・日間の長く深い交流史の原点を知ることができる。(河創国、朝鮮歴史博物館副館長)

朝鮮歴史博物館へは「朝鮮大学校国際交流委員会」へ電話連絡のうえお越しください。

 朝鮮大学校 東京都小平市小川町1−700、TEL 042・341・1331(代表)。

アクセス

・JR中央線「国分寺」駅北口より西武バス「小川上宿美大前行き」または「小平営業所行き」「朝鮮大学校」下車徒歩1分

・JR中央線「立川」駅北口より立川バス「若葉町団地行き」、終点「若葉町団地」下車徒歩10分

[朝鮮新報 2009.9.4]