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「トト理科教室09」 朝大教育学部教育学科が主催 ワクワク、理科の楽しさ体験

テーマは「探検」 初級部5年生ら45人が参加

今年もたくさんの子どもたちが参加した

 さる7月18日、朝鮮大学校(東京都小平市)から子どもたちの声が聞こえてきた。構内は子どもたちの姿でいっぱいだ。

 なぜ子どもたちでいっぱいなのか。それは、今年もトト理科教室が行われたからである。

 今年は、キャンプとの関係で関東の学校からの参加者は少ないと聞いていたが、45人と毎年と変わらない人数の生徒たちが参加した。東京第2、西東京第1、横浜、群馬、川崎、埼玉の初級部5年生の子どもたちが元気いっぱいにやって来た。

空き缶で鏡作り(写真上)、PH測定について説明する「校長」の゙龍聖さん

 トト理科教室とは、朝大教育学部教育学科がウリハッキョの初級部5年生を対象に主催しているイベントで、今年で8度目になる。理科を専攻する学生たち(今年は4年生1人、3年生4人、2年生6人)が、普段学校ではできない実験などを通じ、理科のすばらしさ、楽しさ、大切さを伝えようとするものだ。

 トト理科教室は学校のような構成になっていて、校長もいれば各組の担任、副担任もいる。つまり朝大生はこの日、「先生」というわけだ。

 8度目ということだけあって、トト理科教室に対する各方面からの期待は大きかった。しかし、私たち朝大生らはそんな期待とは裏腹に不安と緊張でいっぱいだった。

 トト理科教室2009のテーマは「探検」。このテーマに沿って酸性教室、燃焼教室、反射教室、工作教室の4つの教室で、ちょっと高度な実験や望遠鏡作りなどを行った。またそのほかにクイズ大会や昆虫採集、そして今回の目玉である「第3研究棟探検」も行った。

世界天文年を説明する文瑛愛さん

 第3研究棟には理工系の実験室があるが、夜は静かで真っ暗。そう、何となく怖いのだ。ここをお化け屋敷に見立て、理科の問題を解きながら探検するという、怖くて、ためになる企画を考えたが、科学と非科学をリンクさせるのは難しかった。

 準備過程と当日、どう生徒たちを驚かせるのか、理科の問題の難易度はこれでいいのか、最近の初級部生たちは怖がってくれるのだろうか、ただのお化け屋敷で終わるんじゃないかと不安でいっぱいだったが、スタッフたちの自己犠牲をいとわぬ献身的な努力によって大成功を収めることができた。

 探検中怖くてずっと叫び続ける子どももいたし、中にはリタイアする子どももいたが、初級部生たちは果敢に「恐怖ゾーン」を突破し、問題をクリアしながら真剣に「第3研究棟探検」を楽しんでくれた。

 さて、興奮冷めやらぬ就寝時間、初級部生たちは案の定、寝るのを放棄し、いっそう目の光が輝きを増し元気になる一方、その横で疲れた朝大生が「パルリ チャラ(早く寝なさい)!」と叫ぶ光景は毎年繰り返される「風物詩」だ。

クイズ大会最後のアトラクション「空気砲で怪物を倒せ」

真剣なまなざし

 次の日、朝早くから昆虫採集をやるのに起きられるのか心配だったが、さすが少年団キャンプで鍛えられているウリ初級部生たちは時間通り起床し、元気よくカブト虫やクワガタ虫を捕まえていた。そして午前中に3つの授業もしっかり受けて、閉会式では努力賞、優秀ちびっこ博士、最優秀ちびっこ博士たちが選出され、今回の理科教室も大盛況で幕を閉じた。

 「校長」などという大役を任された私にとって、トト理科教室の2日間は生涯忘れられない貴重なものとなった。きっと参加した朝大生にとっても有意義な2日間になったと思う。しかし、今ふり返ってみるともっとできることがあったのではないかと後悔が残る。

 この間、小さな問題まで綿密に準備したつもりだったが、当日には思った通りにいかなかった部分もあった。まだまだ未熟な私たちだが、ウリ初級部生たちのために全力をつくしたと、自負してはいる。

 子どもたちのために何かをするというのは本当に素晴らしいものだと感じた。最後に、トト理科教室に参加してくれた初級部生たち全員が、この2日間を通して理科のすばらしさ、楽しさ、大切さを感じてくれたことを願うばかりだ。(゙龍聖・朝鮮大学校教育学部教育学科理科専攻4年)

子どもたちの感想 ふしぎ、発見!

[朝鮮新報 2009.8.21]