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埼玉初中 初級部低学年キャンプ 自分たちの力でやり遂げる喜び

グループ生活、料理、肝試しなど

 埼玉朝鮮初中級学校・初級部低学年のキャンプが7月3〜4日、同校内で行われた。各朝鮮学校のキャンプは少年団に入団する高学年から行われるのが一般的。同校では「子どもたちに一つでも多くの思い出を」と、8年前に新任だった朴麗愛先生(29、現在低学年集団責任者)の発案、企画によって初級部低学年キャンプを始めた。以後、学校の名物行事の一つとして定着し、児童、保護者たちに親しまれている。

さまざまな体験

短冊などを飾り付け華やかな七夕の笹を背景に記念撮影

校長先生と水遊びに夢中になる児童たち

校庭で花火を楽しんだ

本当は怖いけど手をしっかり握りあって肝試しに挑戦

 キャンプ期間は、初級部1年生から3年生までの全児童が男女別に12のグループをつくり生活する。3年生の一人がリーダーとなり、すべての日程をグループ別にこなしていく。

 キャンプでは七夕会、民俗遊び、料理の下ごしらえ、運動会、スイカ割り、花火大会、肝試し、水遊び、日記書き、お絵描きなどが行われた。

 初日、開営式を終え、まず七夕会が開かれた。

 体育館に準備された児童たちの背丈の10倍ほどはある大きな笹に、事前に宿題として出された児童と家族の「夢」が書かれた短冊と飾りを付ける。児童らは短冊と色とりどりの折り紙の飾り付けに夢中になっていた。

 飾り付けが終わると先生たちの手で横に倒されていた笹が立てられた。立派な笹の飾り付けに児童たちは大喜び。歓声が上がった。

 つづいて民俗遊び。男子による朝鮮相撲、女子による脚相撲大会がグループ対抗で行われた。子どもたちの表情は真剣そのもの。応援にも熱が入る。

 夕食作りでは、オモニ会役員らを手伝って野菜の皮むきと野菜切りに挑戦。その野菜を具にカレーライスが作られた。

 子どもたちは美味しいカレーを作ってくれたオモニ会役員たちに、お礼の合唱とメッセージ付の写真をプレゼントした。

 夜には、運動場で花火を楽しんだり朝青埼玉県本部の朝青員らの協力で打ち上げ花火も行われた。その後、朝青員らがお化けに扮し、体育館で肝試しが行われた。

 2日目は水鉄砲を片手に水遊びなどを楽しんだ後、教室で1泊2日のキャンプの模様、感想を日記と絵に記した。

 閉営式では日記と絵の優秀作品が発表され、民俗遊びで優勝したチームに手作りのメダルがわたされた。

喜びの声

ジャガイモの皮をむいて料理の下ごしらえ

 文梨香ちゃん(初1)は「みんなと一緒に泊まったので怖くなかった。水鉄砲遊びが一番楽しかった」と感想を述べた。

 1年生のオモニ会役員として夕食の準備をした李英秋くんのオモニ、黄京愛さん(45)は「お泊りは初体験。私は不安でいっぱいだったのに、本人は心待ちにしていて持ち物に一生懸命名前を書いたり、荷造りも自分でした。入学してから3カ月の間に、友だちもたくさんできたし、上級生たちが面倒を良くみてくれる。学校生活を本当に楽しんでいるのがわかった。一度は迷ったが、今では本当に入れて良かったと思っている」と語った。

 高石典校長(46)は「学校に宿泊しながら過ごした1泊2日はいつもの生活とは違う喜びを味わえたと思う。料理を手伝ったり、短冊作りをしたり、自分たちの力でやり遂げる喜び、一人では難しいことを助け合いながら成し遂げた満足感があったと想う。協調性も養われた。保護者たちの間でも、とても良い情緒教育の一つとして定着してきている」と話した。また、子どもが「何を感じて何を学んだかを最終日に日記に記し、ちゃんと整理している。体験して楽しんだだけではなく、しっかり感じそれをまとめる力も育てている」と述べた。

 同校では普段の通学時に集団通学を行い、日頃から上級生が下級生を手伝う姿が見られるという。

 高校長は「キャンプを通して、皆が本当の兄弟姉妹のように一段と仲良くなり、またその経験が高学年、中学にもつながって、学校が一つの大家族になれれば」と思いを語った。(写真と文=盧琴順記者)

[朝鮮新報 2009.8.7]