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〈虫よもやま話-21-〉 性

 「…大抵は畑が悪いんだよな〜!」

 祖国を訪問した際にこのような声が耳に入りました。すると、「畑は良いけど種が悪いのよ!」と女性陣は大激怒!

 雪竹花から始まり柔道、サッカー、卓球と確かにウリ民族は女強し! でも、人間界には両方の「性」が必要ですから仲良くしましょうね。

 さて、今回は「性」に関するお話です。

 果たして何ゆえに男女が存在し、いかにして性は決定づけられるのでしょうか? この問いに答えるため、多くの研究者が昆虫界にスポットを当てています。それはわれわれのように雌雄を要する両性生殖だけではなく、単体で行われる単為生殖など、興味深く不思議な「性事情」を彼らが抱えているからです。

 社会性昆虫として有名なミツバチ類は女王を中心として全ての働き蜂が雌で構成されています。雄は生殖の際にだけ産み分けられその使命を果たすと死を待つのみなのです。

 また、害虫として有名なアブラムシ類は幹母という母役のアブラムシが雌の子を卵ではなく「子の状態」で産み続け、環境が安定している間はこれが続きます。しかし、冬が近づくと幹母は雄を産み分けて交尾を行い、「卵」で産み落とし冬を耐え抜くのです。

 さらに私が驚いたのは、多くの昆虫類の雌で見られる配偶者選択の戦略です。

 一般的に雄は交尾を終えると成功と見なされがちですが、多くの雌は精子を貯蔵する器官を具えており、最も優れた精子だけを受精に用いて残りの精子を栄養として利用するという「隠ぺい的な選択」を行うのです。

 先ほどの話に置き換えると、「畑に種が蒔かれても、畑が種を選ぶ」。

 男性陣の皆さん、だから昆虫界ではこのような雌を射止めるために雄がどうするか知っていますか? 雌のために最も高価なプレゼントを贈り、ボディーガードとして他者から守り続けるのです。

 昆虫界では繁殖戦略として発達したものが性であるように考えられますが、私たちはいかがでしょう?

 それだけで牽牛と織女のロマンスってありえます? それにしても昆虫研究者はほぼ男性のみ。女性の方、大大大歓迎ですよ〜!(韓昌道、愛媛大学大学院博士課程)

[朝鮮新報 2009.7.24]