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〈虫よもやま話-20-〉 快挙−番外編−

 「やった〜! 万歳〜!!!」

 6月17日。44年ぶりにW杯出場が決まった瞬間、皆がこう歓喜したのではないでしょうか?

 さて、今回はこの44年ぶりのW杯出場を記念して、やはり昆虫界でもこのような快挙をご紹介したいものですが…。

 「88年」ぶりの大発見!

 今回はこれにしましょう。私の携わる昆虫分類学ですが、ここで一度おさらい。

カカトアルキ目のマントファスマ

 カール・フォン・リンネの考案したリンネ式階層分類体系に沿って昆虫類を分類し整理しています。このリンネ式階層分類体系とは、生物を界−門−綱−目−科−属−種という階層に沿って分類し整理する大変理にかなった体系です。われわれ、分類学者が新種を発見した場合、この階層に従って正しいと考える層にこれを含め整理を行います。とくに今でも新種が多数発見され続けている昆虫類では、「種」の層は大忙し。

 毎年増え続ける一方です。

 しかし、種よりも上の層が新たに発見されるということはあまりありません。それでも毎年新たな「属」が少しは報告され新設されていますが、それより上の層である新「科」や新「目」の発見はほぼ不可能だと言っても過言ではないでしょう。

 新たな目に属されるだろう生物を発見したとなると間違いなく、「時の人」となります。

 2002年4月のことでした(当時私は大学2年生)。昆虫類で88年ぶりに、昆虫網に含まれる31番目の目として新たな目が創設されたのです!

 しかも、ある研究生がベルリン博物館所蔵の古い標本を整理していた過程で発見したのですから二重の驚き!

 この新たな目には「カカトアルキ目」という和名が付けられました。その名のとおりカカトで歩いているように見えるからで、ナナフシに類似した外部形態を具えているそうですが、かなり獰猛な捕食性昆虫だそうです。ぜひ一度お目にかかりたいものです。

 昆虫の快挙もすごい! でも、今回のウリナラの快挙はとにかくすごいし、超〜うれしい!! しかも、なんと、あのアフリカ大陸で開催! 実はカカトアルキ目の生息地です。よし、来年はアフリカで虫採りだ〜! …なぁ〜んちゃって(笑)。応援応援。

 選手たち、感動を本当にコマッスムニダ!(韓昌道、愛媛大学大学院博士課程)

[朝鮮新報 2009.7.10]