「北区(Korea)十条(Japan)朝日祭」に3000人 東京中高を拠点に朝・日交流 |
「若人の活躍に期待」 「北区(Korea)十条(Japan)朝日祭」が13〜14日、東京朝鮮中高級学校で行われた。近隣住民、同胞、生徒ら3千人が参加した。初日は十条国際交流フォーラム(JIFF)が主催する「十条国際音楽祭」、2日目は東京中高が主催する文化祭「アンニョンハセヨ2009」が行われた。
多彩な行事に満足
9回目を迎えた東京中高文化祭「アンニョンハセヨ2009」は今年も多くの参加者でにぎわった。先着300人までのキムチ抽選や朝鮮料理などの売店が大盛況だった。 朝鮮文化会館前ステージと文化会館では、同校生徒、卒業生、日本人、Tuttiによる公演が披露され、チョゴリファッションショーも好評だった。とくに目を引いたのは、朝高生バンドによる演奏。歌を担当した、東京第3初級時代からの同級生、安泰成さんと任美明さん(高3)は、帝京高の女生徒と4重唱し、拍手喝采を浴びた。 校舎ではキムチ作り、書芸、ウリマルとウリノレ、朝鮮料理、チャンゴ、チョゴリ試着などを体験できるカルチャー教室が盛り上がりを見せ、朝・日美術展も開催された。東京中高の最寄り駅でチラシをもらい、キムチ作りを体験した女性は、「初めて作った。とても勉強になった」と笑顔。「シンプルでほんとうにキレイな字。ハングルっていいですね」と書芸教室で作品をしみじみ眺める市民の姿もあった。 運動場では、今年度に創部された東京朝中ラグビー部と帝京中による日朝親善招待合同練習、東京朝高ラグビー部と千葉高による日朝親善招待試合が行われた。食堂では東京学生会と朝高生が互いの生活や活動について紹介しあう共同展示会が行われたほか、朝高生と帝京高生徒による日朝交流シンポジウム「日朝の架け橋となるために−高校生の真の友好を目指して−」も行われた。 シンポでは、▼日朝関係の過去、現在、未来▼共存社会の構築を妨げている意識や問題点▼日朝の架け橋としてできること−などについて考え、@日本の植民地政策A在日朝鮮人の根源B「従軍慰安婦」問題についての研究内容などが発表された。帝京高の生徒は「史実から真実を導き出す今日のような機会をたくさん設けたい」と述べ、朝高生は「歴史認識を朝・日の生徒が共有していきたい」と語った。 一方、「十条国際音楽祭」は、室内ステージ(朝鮮文化会館)と野外ステージ(文化会館前)で構成。多様な国の音楽、東京中高の民族楽器、朝鮮舞踊、東京中高と茨城初中高による合唱、生徒らの「リムジン河」大合唱などが披露された。公演前には十条国際交流フォーラムの中村信也会長、東京中高の 愼吉雄校長、東京都北区の花川與惣太区長、公明党の太田昭宏代表のあいさつもあった。 十条国際フォーラムは、北区十条界隈の人々を中心とした国際交流、文化交流などを進めようと05年に設立され、十条周辺に住むさまざまな国籍の人々が属している。フォーラムの中村会長は、「十条を元気づけたかったし、東京中高をいろんな人たちに知らせたかった」と音楽祭開催の動機について語り、「朝鮮語を使っている生徒の姿を見ると、なんだかうれしい気持ちになる」と述べた。 一方、音楽祭当日は北区の飲食店などが売店を出店し、区全体で国際交流を盛り上げていこうという雰囲気に包まれた。 十条駅周辺に住んで40年の60代男性は、「日朝が仲良くしなくてはならないと再認識した。若人に期待したい」と語った。(李東浩記者) [朝鮮新報 2009.6.26] |