top_rogo.gif (16396 bytes)

〈虫よもやま話-14-〉 最大のライバル

 「あ〜〜! 味噌汁の中に虫入ってる〜〜!!」

 皆さん、こんな経験、一度や二度は必ずありますよね?

 そんな虫たちのことはお好きでしょうか?

 大抵の大人は、「う〜ん、子供の頃は好きやったけど、今は見るだけで気持ち悪い!」と言います。
 

「部屋に入れてよ〜!」(ミヤマカミキリ)

 特に東南アジア諸国でよく見られるような「昆虫食」がほとんどない私たちの生活風習にとって、研究や趣味で携わらない人以外では、昆虫はほぼ私生活の中で、「不必要」な存在となっていることでしょう。

 しかも、その「不必要」な、できれば関わりたくない昆虫たちは積極的に私たちや、その身の回りの資源を利用しようとやってくるのです。

 この「味噌汁への墜落事故」も、我々の私生活のあるものを利用する手前の不慮の事故だったのでしょう。

 しかし、これくらいであれば具と一緒に飲み干せば問題なしですが(隣で見ていた生徒は驚愕していましたが…笑)、ある研究で言われているような「地球上で生産されている農作物のおよそ1/4が昆虫に食べられている」「温暖化のためにマラリア病原虫を媒介する蚊が日本でも冬を越し定着する恐れがある」ということになると、もう笑ってはいられません。

 しかし、皆さんもご存知のように生態系構成の大きな位置を占め、花粉の媒介や腐敗物の分解などを担う昆虫たち抜きでは、私たちの生活が成り立たないことも事実ですね。それにも関わらず、私たちがあまり「彼ら」を好ましく思えないのはなぜでしょうか?  これはあくまでも私個人の見解ですが、我々の「最大のライバル」−それこそ昆虫たちだからではないでしょうか?

 事実上、地球における食物獲得競争では私たちの最大のライバルこそ昆虫類と考えられています。

 私たちは「百獣の王」を檻の中に閉じ込めることには成功していますが、この「小さな存在」を自分の部屋から追い出すことすらほとんど成功していないのです。しかも、その「ルックス」が受け入れがたいとなるとまさに悪夢ですよね?(このルックスが最高なのですが…)。天敵のいない私たちの平穏を堂々と脅かすことのできる動物!その代名詞こそまさに、「昆虫」なのです(超〜格好良くない?)。

 次回はそんな最大のライバルの中から、あのスーパースター(?!)の登場です。(韓昌道、愛媛大学大学院博士課程)

[朝鮮新報 2009.3.13]