〈中央教育研究大会〉 初級部1学年分科 |
民族教育の出発点、言語教育の重要性
今回、約10年ぶりに初級部1学年分科が設けられた。学校の最初の課程となる初1教育の体系的、科学的な研究は、2〜3年生ひいては初級部を研究するにあたって、どの学年よりも先決的で、重要であるとの認識からだ。 初1教育は、朝鮮語や朝鮮の歌、とくに民族情緒を育てる基礎の時期であり、また、2重言語(朝鮮語、日本語)を同時に習う初1の言語教育は、他の教科を順調に習う上での土台となる。 同分科では、初1の年齢的、心理的特性に合った教授教養方法をつくりあげるため、@言語活動の4要素(聞く、話す、読む、書く)を体得する国語を教える多様な方法的内容A語彙習得での方法や経験B算数や日本語科目に対する意欲と能力を高めた経験を一般化することなどが目的とされた。 論文発表に先立ち、埼玉朝鮮初中級学校・邵己淑先生による国語・模範授業が行われた。言語活動の4つの要点を正しく配合させ、言葉遊びや歌に合わせ教科書を朗読したり、児童の関心を引く教材を多数取り入れた楽しい授業に、児童たちは終始目を輝かせ集中していた。 また、総連中央教科書編さん委員・金琴順氏が、「初1国語教科書の目標、国語教育の到達度」について解説した。とりわけ入学初期から2重言語を学ぶ初1児童に対する言語教育の重要性を強調し、語彙習得期である児童たちの手本となる教員の言葉の正確さ、豊かさが求められると述べた。 つづいて、論文発表が行われた。@朝鮮文字を原理的に教え、習った文字と言葉の使い方をリフレインさせ、その活用能力を育てるための指導過程についてA入学初期から国語の基礎知識を教えながら、口語機能を共に高める実践的経験についてB多様な「遊び」を通じ量を理解させ、授業での「遊び」の重要性と役割についてC「引いて足す」過程を容易に理解させたことについてD生徒たちの心理的特性に合わせ、作文能力を高めたことについてE適切な問いに倣った意見交換を通じ、教材内容を深く把握させ、自身の考えを文にまとめるよう指導したことについてなど、計6編の論文が発表され、補充討論が行なわれた。 同分科では今後の課題として、教科教育に対する研究を基本にしながら、初1の特色に合わせた教養の研究で明らかな実績を積んでいくことなどが指摘された。 [朝鮮新報 2009.2.6] |