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〈中央教育研究大会〉 保育体育教育分科

保健室運営、食育への取り組み

 保健体育教育分科では、最近の子どもたちの体力低下、運動経験の減少、精神的鍛錬や健康管理に対する経験の不足が指摘される中で、5つのテーマの研究発表が行われた。内容は次のとおり。@朝鮮学校の実状に合った授業および学校空間を活用した児童・生徒たちの体力向上と身体の発達について、A健全な生活を送るために必要な知識と生活習慣を身につけるための保健授業研究と学校保健事業の対策について、B初・中・高別および学年別学習到達目標の設定と実技能力に関する統一的な評価基準についてC初級部カリキュラム、体育指導書活用方法、保健の教科書の内容と活用について、D中高級学校で課外部活動を強化し、生徒たちの素質を伸ばすための指導方法について。

食育へのユニークな取り組みについて語る金賢柱先生

 尼崎朝鮮初級学校・朴信子先生は、「教育環境を整えるための保健室創設過程について」発表した。朴先生ははじめに、昨年創設した保健室をVTRで紹介。同校では現在、週1回専門講師を招いて保健室を開設している。

 朴先生は保健室の運営によって、「児童たちの健康に関する意識が高まり、保護者たちからもたくさんの支持を得られるようになった。また、教職員と児童たちが安心して落ち着いた学校生活を送れるようになった。特に、各学年の厚生部員たちが中心となって、保健室の先生を積極的に訪ね、体系的で計画的な厚生活動を行えるようになった」と話した。

 今後兵庫では、朝鮮学校出身の看護師たちのネットワークをフル活用して、「短時間でもボランティアで保健室の臨時教員として協力してもらえるよう働きかけていきたい。そして、保健室を週2回以上開設できるようにしていきたい」と意欲をもやしていた。

 また、愛知朝鮮第7初級学校・金賢柱先生は、「1、健康な生活」の授業で民族性を教えた経験について発表した。金先生は同校3〜6年生24人の食生活に関するアンケートを実施。その結果を日本の小学生のものと比較した。

 アンケートの中で「朝食を食べない」と答えた子どもたちの最も多い理由は「食欲がない」から。その回答者の就寝時間は23時30分〜24時以降と遅かった。そして、そのうち23時〜23時59分の間に寝ると答えた子どもの比率は、日本児童が6パーセントだったのに対し、同校児童は21パーセントだった。アンケートではほかにも朝食や間食、夜食、休日の昼食のメニューについての統計も紹介された。

 金先生はDVD資料「キムチパワーを生かす工夫」を用いた授業を通して子どもたちにキムチの効力をわかりやすく伝え、その結果、「少年団の料理コンクールで、たこ焼き、うどん、パスタが主流だったのが、メニューの中にチヂミが加わり、オモニ給食のときにキムチを欲しいという児童が増えた」と語った。

 同分科では、7編の論文が発表されたほか、在日本朝鮮人医学協会による保健講義「新型インフルエンザと学校での予防対策について」も行われた。

[朝鮮新報 2009.2.6]