top_rogo.gif (16396 bytes)

朝鮮学校の処遇改善のための車座集会 焦眉の問題を議論

現状と課題について言及

集会には約150人が参加した

 「朝鮮学校の処遇改善のための車座集会」が7日、東京・豊島区勤労福祉会館で行われた。主催団体は女性同盟、青商会、教育会、朝青、留学同、人権協会。東京、神奈川、西東京、埼玉、千葉の総連本部が賛同団体として名を連ね、各団体代表、教職員、同胞、活動家など150人が参加した。

 はじめに、金舜植弁護士が「朝鮮学校の現状と課題」について報告した。

 金弁護士は、「学校閉鎖令と阪神教育闘争」「総連の結成と朝鮮学校の再建」「1965年通達(『各種学校の地位を与える積極的意義を有するものと認められない』とした文部事務次官通達)と朝鮮大学校の各種学校認可」など、朝鮮学校の歴史的経緯について言及したうえで、朝鮮学校に対して助成制度、大学受験資格問題、税制上の措置における露骨な人権侵害が行われてきたことを指摘。「各種学校」としての差別に加え、同じ「各種学校」内でも「公益性」を理由にさらなる差別があることに触れ、制度的保障、確固たる法的地位を求めていく必要があると強調した。

 この中で金弁護士は、新政権が進める「高等学校等就学支援金」は朝鮮学校にも当然適用されるべきものだとし、すべての子どもたちに等しく教育が保障されるために、地域レベルで朝鮮学校を後押しする世論を積極的に喚起していくほか、今こそが政府に対して「反対型」ではなく、「提案型」の運動を展開していくための絶好の機会だと呼びかけた。

 続いて、李春熙弁護士が「外国人学校振興法」の必要性と制定に向けた取り組みについて報告した。

 李弁護士は、「外国人学校振興法」案は外国人学校を正規の学校に位置づけ、自主性の尊重、差別的取り扱いの禁止を定めたもので、「基本法」としての振興法制定とともに関連法規を改正・整備することで、外国人学校の制度的保障が実現されると指摘。これにより、外国人学校に対する差別は法律上禁止され、あらゆる面で子どもの学習権が保障されると強調した。

 この方案は、李弁護士をはじめ「第1回多民族共生教育フォーラム」(05年、兵庫)を機に結成された「外国人学校・民族学校の制度的保障を実現するネットワーク」に参加する弁護士や研究者が中心になりまとめたもので、法成立に向けた運動を始めている。

各地の活動、情報交換も

「朝鮮学校の現状と課題」について報告があったほか、情報交換も行われた

 集会では、各地の取り組みが紹介され、活発な情報交換が行われた。

 西東京朝鮮第1初中級学校から行政に学校の安全対策措置を取らせるに至る活動について報告があったほか、東京朝鮮第3初級学校からはブロック塀改修工事費補助金獲得の経験、山口からは助成金増額に至る取り組みについての報告がなされた。また、東京朝鮮第6初級学校など、各地で行われてきた助成金獲得までの経緯や草の根朝・日親善活動の成果が紹介された。

 また、運動を推進するうえで、同胞たちの団結した力を主体としながら、自治体、地域市民の理解と支持を得ることが不可欠であることが強調され、子どもたちのために、迅速に行動することが重要だと意義付けられた。

 最後に集会では、▼朝鮮学校への「高校無償化」制度適用、▼税制上の差別をはじめとする不当な差別の撤廃、▼助成金増額から交通安全対策までのさまざまな面での処遇改善、▼「一条校」と同等の扱いを保障する法整備 −を呼びかけるアピール文が発表された。(鄭尚丘記者)

[朝鮮新報 2009.11.16]