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商工連 経済フォーラム2009 in Tokyo 「外国人財産取得令」適用反対闘争勝利60周年に際して

1世の起業精神に学び未来を切り開こう

 在日本朝鮮商工連合会フォーラム実行委員会主催の「経済フォーラム2009 in Tokyo『우리 힘 우리 미래(私たちの力、私たちの未来)』」が11月19日、東京・新宿の京王プラザホテルで行われ、商工連合会の李奉国会長(フォーラム実行委員会委員長)をはじめ、各地から650余人が参加した。フォーラムは、解放後に同胞1世商工人たちが暮らしと企業権を守り抜いた「外国人財産取得令」適用反対闘争の勝利60周年を記念し、企画された。祝賀宴では、総連中央の許宗萬責任副議長があいさつした。

議論、交流深める

第2部「新世代が未来を拓く」の第1セッションでは「変化」「潜在力」「再考」をキーワードに議論が交わされた

 朝鮮半島と東北アジア、日本の政治・経済システムの転換期に、先達の起業精神に学び、同胞企業と商工会の将来を見据え、企業権を守り企業力と組織力を培っていくことを目的に催されたフォーラム第1部「時代を拓く企業家精神」ではまず、戦前戦後を生き抜いた在日朝鮮人企業家の真情をまとめた映像と語り「1949−2009 一以貫之(いちをもってこれをつらぬく)」が、劇団俳優座の中寛三さん(友情出演)によって語られた。

 つづいて、インタビュー「『外国人財産取得令』適用反対闘争の追憶」が行われ、当時朝鮮人生活防衛対策委員だった総連東京渋世支部の金源一顧問が闘争に立ち上がった経緯などについて回想。同胞の団結力が勝利の原動力であったと強調し、大衆運動による歴史的な闘いがあったからこそ、経済活動の権利を勝ち取り同胞社会が成り立っていると述べた。

 トーク「次代へ送るメッセージ−1世商工人の生きざま」では、栃木県商工会の姜勲顧問が遊技業界の変遷を回想しつつ、あらゆる圧力と苦難を不屈の精神と団結の力で乗り越え、遊技業界の健全化と同胞業者の権利を守ってきた1世商工人ならではの実体験と歴史的教訓を熱く語った。毎年6千通の年賀状を受け取るという姜顧問は、人とのつながりや出逢い、そして同胞社会を大切にしてほしいと強調した。

 東京・足立商工会会長、(株)バイオマス・グリーン社長、広島40代同胞商工人懇談会、(株)トラジ社長のビデオメッセージが紹介された後、第2部「新世代が未来を拓く」が行われた。

各地から集まった参加者たち

 第1セッションでは、「変化」「潜在力」「再考」をキーワードに「同胞企業の現況と新世代の課題」について三重県商工会の朴満雄会長、神奈川県商工会の呂光燮副会長、学校法人呉学園の宋成烈理事長、金舜植弁護士、在日本朝鮮青年商工会の李忠烈副会長らがコメンテーターとして熱い議論を交わした。

 ゲストスピーカーとして朝鮮大学校の呉民学教授が出演。呉教授は、「われわれには学校をはじめとする組織の同胞ネットワーク、愛族愛国の伝統、権利獲得・擁護の経験がある。これを生かしていこう」と強調した。

 第2セッション「21世紀東北アジアと在日コリアン企業人」では、環日本海経済研究所調査研究部の三村光弘研究主任が「21世紀東北アジア経済と朝鮮半島」、笹川平和財団の李燦雨アドバイザーが「グローバル・コリアンの過去、現在と将来」をテーマに報告した。

「新しい世代とともに」

 名刺交換会の後、祝賀宴が行われ、李奉国会長があいさつした。李会長は「先代の愛族愛国の精神を継承し、同胞企業と商工会組織をさらに発展させていくことが課題だ。フォーラムを契機に団結を強化し、新しい世代の商工人たちとともに商工会活動をいっそう発展させていこう」と呼びかけた。

 あいさつした総連中央の許宗萬責任副議長は、「外国人財産取得令」は当時、在日外国人の92.5%を在日同胞が占めるなか生活権、企業権、生存権を剥奪しようとした悪法だったと指摘。2012年に強盛大国の大門を開こうとまい進する祖国とともに、今後も力を合わせ奮闘してもらいたいと激励した。

 梁守政副議長の音頭で参加者らは祝杯をあげた。

 舞台では在日本朝鮮青年商工会の役員ら、W杯出場を決めたサッカー朝鮮代表チームの金光浩コーチ(在日本朝鮮人蹴球協会副会長)、鄭大世選手が発言し、安英学選手の祝電、東京華僑総会の祝賀メッセージも紹介された。また、朝鮮商工会議所、平壌・首都建設部、高麗法律事務所などからのビデオメッセージが紹介され、金剛山歌劇団による特別公演が行われた。

 フォーラム参加者らは、「先代の経験を糧に、同胞企業と商工団体を今後も守っていかなければならない」などと感想を述べていた。(文=李東浩、写真=文光善記者)

[朝鮮新報 2009.12.2]