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2009「在日朝鮮人歴史・人権週間」まとめの会 在日朝鮮人の歴史、法的視点で

活動3年、1万3千人参加、冊子7千部配布

 2009「在日朝鮮人歴史・人権週間」まとめの会が6日、東京・お茶ノ水の総評会館で行われ、3年間の活動総括と今後の対応などについて話し合われた。また、奨励賞の表彰が行われ、受賞した朝鮮大学校朝鮮人強制連行真相究明サークルと留学同京都の代表者らが活動について報告した。

来年は「韓日併合」100年

 「歴史・人権週間」は、朝鮮人強制連行真相調査団をはじめとした在日朝鮮人諸団体と日本のさまざまな平和・市民団体・個人が共同で参加し、07年度から活動してきた。ドゥドゥ・ディエン国連特別報告官が06年に日本の人権状況について「最も甚大な表れ方をしているのは文化的・歴史的性質を有する差別である」「日本では、朝鮮人、中国人のようなマイノリティに対する差別の歴史的・文化的根深さが認識されていない」と指摘したことを重く受け止め、約1世紀に及ぶ在日朝鮮人の歴史を知り、その歴史的事実を法的視点から、人権状況を国際的観点から考えることを主眼に置き活動してきた。

 07年は「1905年条約(乙巳5条約)」、朝鮮人強制連行犠牲者の遺骨問題、08年は関東大震災と朝鮮人虐殺、1948年民族教育闘争、民族教育の権利、09年は朝鮮人強制連行、在日朝鮮人の「消えた年金」などの問題をテーマに集会、現地フィールドワーク、写真展、学習会などを各地で開催。3年間で65回のイベントに延べ1万3千人以上が参加した。毎年、各種資料を収録したリーフレットを製作し約7千部を普及した。

 実行委員会の洪祥進氏(朝鮮人強制連行真相調査団朝鮮人側中央本部事務局長)は、「各地の集会を通じ強制連行・人権侵害被害者の証言などから在日朝鮮人の歴史と人権状況について広く知らしめるとともに、それらを法的視点から提案することで一定の理解を得ることができた。そして、日本の諸団体と在日朝鮮人の若い世代のさまざまな取り組みが具体的な活動とともに広がった」と成果について強調した。

 実行委員会では、日本が朝鮮を植民地にして100年となる来年、「韓日併合条約」(1910年8月22日)をテーマに、締結前後の朝鮮や日本の状況、条約の違法・無効性、植民地支配に反対した朝鮮人のたたかいなどについて、現在の人権状況と照らし検証していく予定だ。集会では、広島・長崎の朝鮮人被爆者問題、太平洋戦争時の空襲問題などについても言及された。

2団体に奨励賞授与

奨励賞受賞団体関係者と実行委員ら

 集会では、朝大の朝鮮人強制連行真相究明サークルと留学同京都に奨励賞が授与された。朝大4年の金順雅さんと京都大学4回生の朴憲浩さんがそれぞれ活動について報告した。

 朝大の同サークルは、学生の立場から強制連行問題について研究し、その解決と過去清算に向けフィールドワーク、学習会などの実践活動を行っている。とくに約1万7千人分の元朝鮮人軍人軍属の名簿を整理し、本籍地、所属部隊、死亡状況などを一つひとつパソコンに打ち込み、分析を行った。

 留学同京都は、在日朝鮮人の歴史・権利問題について研究し学習会や公開講座などを開いてきた。そして、太平洋戦争の「学徒出陣期」に、日本の大学が朝鮮人学生にも「志願」を強いていた問題について研究、分析しまとめた。京都大、立命館大、同志社大、龍谷大などで調査を実施し、名誉回復の重要性を訴えた。

 金順雅さんは「今後は、自分たちだけでなく、日本の大学生と交流し共同研究ができれば」と意欲を見せた。

 実行委員会の藤本泰成氏(平和フォーラム事務局長)は、歴史・人権週間の趣旨と取り組みは着実に広がっており、今後も在日朝鮮人の歴史と人権問題について広めていこうと参加者に呼びかけた。(李泰鎬記者)

[朝鮮新報 2009.11.16]