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「焼肉塾」第2回メニューコンテスト 若手「焼肉人」が競い合う

魅力的にアレンジされた料理

 同胞若手飲食業経営者研究会(通称=焼肉塾)の第2回メニューコンテストが9月16日、明治屋クッキングスクール(東京都中央区)で行われ、52人が参加した。同コンテストには、7月の1次予選を勝ち抜いた4店舗が出場し、2品目を調理。焼肉塾の会員と会員の経営店スタッフたちが試食、採点し、順位を競い合った。同コンテストは、会員店舗がメニューを発案し、レシピ、作り方をすべて公開しながら、料理、調理技術の向上を図ることを目的に企画されたもの。採点の結果、「大同苑」(宮城)がチャンピオンに輝いた。

メニュー考案のヒント

互いに助け合い勝ち抜いていく決意を新たにした参加者たち(写真前列中央が李忠義会長、同左端が金純子さん)

 一昨年に続き、2回目の開催となった今回のメニューコンテストは、「利益率の高い(原価率を下げた)メニューと実用性を重視しながら、満足度の追求」をテーマに、22店舗から25品がエントリー。

 7月にレシピ発表とプレゼン形式で行われた1次審査を勝ち抜いた「益一」(京都)、「きばらし亭」(京都)、「一休亭」(滋賀)、そして「大同苑」の4店舗がこの日の本戦に出場した。コンテストでは、1次審査に提出されたレシピのメニューに加え、本戦のために考案された各店オリジナルの新規メニューの2品が披露された。

 益一が「肉そうめん」「小腹を満たす至福な軍艦」、大同苑が「冷やし坦々冷麺」「丸ごとテール焼と大同苑ファーム野菜添え」、きばらし亭が「冷製の野菜いっぱいコムタンスープ」「かっぱ寿司2種盛」、また一休亭が「ビビンバーガー」「焼きしゃぶつけ麺 えごま風味」をそれぞれ出品した(各店1つ目が1次審査メニュー)。

 出店店舗スタッフは、参加者たちを前に考案メニューを調理しながら、その特徴、調理上での注意点などを事細かに説明した。どの品も焼肉という朝鮮料理を土台にしながらも、奇抜なアイデアにあふれ、見た目にも斬新で、参加者たちの関心を集めた。

本戦に出場した4店舗がオリジナルメニューを披露した

 調理されたメニューは参加者たちが試食し、味、盛り付け、また現実性や興味をそそるかなどの評価基準をもとに、採点された。参加者たちは説明に耳を傾け、またできあがった料理をデジタルカメラや携帯電話で撮影するとともに、試食時には、自店でのメニュー開発の参考にしようと、出店スタッフたちに個別に質問を投げかける姿が見られた。

 採点の結果、もっとも多くの点数を得た大同苑がチャンピオンに輝いた。

 ゲストとして招かれた朝鮮料理研究家の金純子さんは、「第1回コンテストよりも、出品された料理のレベルが上がっている。すべての料理が素材の良さを活かし、そのきっちりとした土台の上で魅力的にアレンジされていた。4店舗とも甲乙つけがたかった。各店の盛り付けは、『大雑把なもの』から『繊細なもの』に焼肉が変わってきている、時代が変化していると感じた」とコンテストを振り返った。

テーマは「どん欲」

できあがった料理を撮影する参加者たち

 焼肉塾は、在日本朝鮮商工連合会(商工連)と在日本朝鮮青年商工会(青商会)の協力のもと、若手同胞の焼肉店経営者の育成とその資質向上を目的に2003年に発足した。7期目を迎え、焼肉店経営者を中心に会員数は27人。焼肉塾が今期に掲げたテーマは、「どん欲」だ。

 焼肉塾では、自店の問題や経験談だけでなく収支など経営上の「秘密」ともいえる情報さえすべて公開し話し合うことが鉄則となっている。それは、長引く不況の中でも、同胞社会の相互扶助の精神で互いに支え合い、勝ち抜こうとする理念があるからだ。

 メニューコンテスト開催にも、会員店舗が培ってきた経験と調理技術を参加者全員がどん欲に吸収して、すべての会員店舗のレベル向上を図りたいという焼肉塾の思いが込められている。

 7期焼肉塾の会長を務める李忠義さんは、「今日のコンテストは各店舗の特色がよく表れていた。参加者たちの関心も高く、会場が一体となっていていい刺激を受けたと思う。今日調理された全8品には、会員たちそれぞれが応用できるヒントがたくさんあり、技術やアイデアを共有できた。1、2世から引き継いだ『焼肉』という食文化を発展させ、そして次の世代に残していきたい」と語った。(鄭茂憲記者)

[朝鮮新報 2009.10.5]