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「東北アジアの平和と日朝国交正常化を考える若者の集い」 若者が対話と交流の促進を

平壌宣言7周年 朝・日青年、学生団体が主催

「東北アジアの平和と日朝国交正常化を考える若者の集い」(9月17日、東京)

 朝青と留学同、日本の青年・学生諸団体が共催する「東北アジアの平和と日朝国交正常化を考える若者の集い」が17日、東京・池袋のコア・いけぶくろ(豊島区民センター)で行われた。朝・日平壌宣言発表7周年を記念し両国関係の現状と今後について考えるために催された集会には、在日朝鮮人と日本の青年、学生ら約200人が参加。朝・日平壌宣言に基づいた国交正常化の早期実現のため、対話と交流を促進することなどが話し合われた。

 集会では、朝青中央の崔成英委員長が主催者を代表しあいさつした。両国の信頼関係を築くためには、まず日本政府が朝鮮に対する制裁を解除したうえで真摯に対話しなければならないと指摘した崔委員長は、「若者が現状を傍観するのではなく、ピースメーカーとなり行動に移さなければならない。今日の集会が新しい朝・日関係を築くムーブメントを起こすきっかけになれば」と述べた。

 続いて、フォトジャーナリストの伊藤孝司さんが「日朝平壌宣言7周年を迎えて」というテーマで記念講演を行った。

 日本政府の補償・救済が行き届かず苦しんでいる在朝被爆者の現状に焦点を当てたドキュメンタリー映画「ヒロシマ・ピョンヤン−棄てられた被爆者」を完成させた伊藤さんは、朝鮮を含むアジアでの豊富な取材経験に基づいて対話の重要性について強調した。

 日本の過去の植民地支配、戦争犯罪について取材を続けてきた伊藤さんは、北南朝鮮、台湾、フィリピン、インドネシア、パプアニューギニアなどで戦争被害者と直接向き合ってきた。平壌で出会ったある被害者は、日本に対する憎しみから初めは取材に行っても一言も話してくれなかったという。だが、何度も訪ね話しかけるうち、次第に心が通い合い取材に応じてくれるようになった。家族と小旅行に行く仲にまでなったという。

国会議事堂前でビラを配る青年たち

 数十回にのぼる訪朝取材では、「日朝関係の異常さ」をいつも痛感するという。朝鮮との過去の清算が未解決であるだけでなく、日本での報道が差別と偏見に満ちており、万景峰号の入港禁止措置など日本政府の制裁が人権侵害を生んでいる現状についても指摘した。

 伊藤さんは「互いに顔が見える交流が大切だ。日本の新政権に対し外から働きかけて対話を促していかなければならない」と訴えた。

 続いて、「日朝関東学生の会」の後藤悠子さんが日朝関係の歴史を知るためのフィールドワークや勉強会などの活動について、朝鮮新報社「イオ」編集部の鄭茂憲記者が朝鮮への物資送付の制限など日本政府による不当な「制裁」の実態について、日本青年団協議会の田中潮総務・社会女性部長が朝鮮の青年同盟との交流事業について発言した。

 集会では、日本政府が▼朝鮮に対する圧力一辺倒の政策を見直し和解政策へと転換し、▼非人道的な制裁措置を解除し両国間の人的物的交流を再開する措置を講じ、▼日朝平壌宣言に基づいて日朝国交正常化の早期実現に向け朝鮮との対話を再開するよう求めるアピールが採択された。

 参加者たちは、集会に先立ち国会議事堂前で、制裁の解除と対話促進を求めるビラを配った。(泰)

[朝鮮新報 2009.10.2]