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「昔の映像」

 「まるで昔の映像を見ているようだった」

 「南朝鮮人民の自主、民主、統一のための闘争を支持する在日本朝鮮人中央集会」(6月24日、東京)に参加した知人は、集会に先立ち放映されたビデオの感想についてこのように漏らしていた。

 ビデオは、昨年2月の李明博大統領就任以来の南での出来事、すなわち、米日との「同盟」強化を掲げながら同族対決にひた走る一方、民主主義を後退させている同政権に対する南の民衆の怒りが収録されている。

 居住権を訴えるソウル・竜山撤去民を焼死させ、前大統領を自殺に追い込んだ当局を糾弾する市民らの姿と、市民らに暴行を加える機動隊の姿は、過去の独裁政権時代を彷彿させる。知人は、時代が逆戻りしている、李政権がどれだけひどいことをしてきたかがわかると、憤慨しながら話していた。

 記者も学生時代だった80〜90年代にこの手の映像をよく見た。南の民衆が繰り広げる民主化闘争に支持声援を送る在日同胞の集会やデモに参加するのは、学生時代以来だと記憶する。

 知識人の相次ぐ「時局宣言」発表など、独裁反対闘争がこれだけ大きな問題になっているのに、日本のテレビはその映像をまともに流していない。だから「昔のような映像」が新鮮に感じられるのだろう。また、新聞、雑誌もあまり報じていない。脅威を煽る「北朝鮮」報道は幼稚園児が怖がるほどにまで徹底的に行っているのに、である。偏った報道の危うさをまたも感じた。(姜)

[朝鮮新報 2009.6.29]