「日朝市民連帯・大阪」結成3周年集会 「2010年までに基本条約を」 |
より広く、より深く友好を
「日朝国交正常化の早期実現を求める市民連帯・大阪」(日朝市民連帯・大阪)結成3周年集会「より広く! より深く! 日朝の友好を!」が19日、エルおおさかで行われ、120余人が参加した。 集いでは、「日朝国交正常化を求める連絡会」共同代表の石坂浩一・立教大学准教授が講演。朝鮮の外交政策や現状について触れながら、朝米、朝・日関係の展望について語った。 そのうえで、「日韓併合」から100年となる2010年までに日朝国交正常化基本条約と経済協力協定を締結し、いずれかを実行するよう日本政府に求めていく運動を積極的に展開していこうと訴えた。 集いでは、集会アピールが採択された。 集会アピールは、朝米対話の進展が期待できる状況の中、日本と南朝鮮政府がこれを阻もうと意図的な情報戦を展開し、日本にいたっては米国に拉致問題へのコミットを迫るなど旧態依然とした強硬姿勢を改めようとしていないと指摘。 日本政府は、朝鮮に対する「制裁」を4月の期限を待たず直ちに解除し、人道支援を再開し、6者会談での自らの義務事項である経済、エネルギー支援を行うべきだとしたうえで、2010年の「日韓併合」100年に向け大阪から全国へ日朝友好の声をさらに高めていこうと訴えた。
決定的転換が必要
「日朝市民連帯・大阪」結成3周年集会では、主催者を代表して有元幹明共同代表があいさつした。 有元共同代表はこの間、「釜山から列車に乗って平壌へ行こう」と呼びかけ運動を展開し、多くの人がこれに賛同してくれたが、朝鮮半島情勢は現在和解から対決へと逆行していると述べながら、私たちの夢を実現するためにたたかっていかなければならないと指摘。結成からの3年間、国交正常化の実現に向けてさまざまな活動を行うなかで、大阪では多くの仲間が増え、力強い輪として広がっていると語った。 そのうえで、東京で結成された国交正常化を求める連絡会に日本各地の団体が結集すれば大きな力になり裾野の広い運動に拡大すると述べながら、今日の集会を機に日朝運動が広く、深くなるよう力を合わせていこうと訴えた。 石坂浩一・立教大准教授は講演で、朝米間では対話が進む一方で政治、軍事的緊張が高まる時期もありうると述べながら、冷静に情勢を見据えつつ平和的な話し合いの原則を守る必要があると指摘。その一方で、日本と南朝鮮政府がこれに逆行しており、混沌とした現象の中では本質的な争点を見定めることが大切だと語った。 また、朝鮮は対米交渉において、原則的立場を貫き、「行動対行動」のプロセスに沿って非核化を進めていると指摘。米国のオバマ新政権は朝鮮の核計画を完全かつ検証可能な形で除去することを目標に、6者会談と直接対話を並行するだろうと展望しながら、米国にとって重要なのは核拡散防止体制の再構築であり、6者会談もしくは朝米協議は遠からず再開されるだろうと述べた。 朝・日関係の方向性について、拉致問題をもって朝鮮を圧迫し崩壊に追い込もうとしたのが02年以降の日本政府の政策であり、06年以降はさらにこの政策を強化していると指摘。ミサイルと核を口実に実施した「制裁」をいまだに解除しないばかりか在日朝鮮人への弾圧を強化しているが、朝鮮の崩壊はおろか、拉致問題も解決できないということを日本政府は認識すべきだと強調した。また日本政府は「制裁」解除、人道支援の再開、6者会談に基づく経済、エネルギー支援を実施すべきだと述べながら、2010年に向けて決定的な転換が必要だと語った。 そのうえで、冷戦の産物としての拉致問題を東北アジアの平和実現という脈絡で解決すると同時に、日本の歴史的責任を果たす作業への取り組みも重要だと強調した。 閉会のあいさつをした加来洋八郎共同代表は、市民レベルでは拉致だけを取り上げて解決しようとするのは間違っているという共通認識が深まりつつあるが、マスコミがそのレベルにいたっていないと指摘しながら、大阪から日朝友好の輪を広げていこうと訴えた。(李松鶴記者) [朝鮮新報 2009.2.23] |