「後悔のない選択」 |
先日、教え子に偶然会った。 遠く見知らぬ土地で社会人としてのスタートを切り、今年母校へ転任してきた彼や、親の反対を押し切り朝大へ進みながらも高い志を持って学び続け、卒業後地域の日校生活動をサポートしている彼女。それぞれに辛い事や悩みもあったろうに、とても生き生きとしていた。 彼らの姿を見ながら、1年前にある教え子から送られてきたメールを思い出した。「…『後悔のない選択』はないと思っていたけれど違いました…最終的に朝大へ来ることは自分で決めたことだけれど背中を押してくださって本当に感謝しています…」。 語学への興味が人一倍強く、英語の成績では常に上位だった彼は、一度は朝大進学を決意したものの直前まで入学を躊躇していた。当時担任だった私としては、入学後も彼が無事朝大生活を送っているのかどうか随分心配したものであった。 人生とはさまざまな選択の連続だ。もしもあの時に違った道を選んでいたら…と考えた事は誰にだってあるのではないだろうか。若い彼らにもいつか自らの選択に疑問を感じる時が来るかもしれない。 ただ、一度でも自分の選択に確信を持つことができれば、今後の人生を生きていくうえでの大きな自信と勇気につながるはずだし、何より自分以外の何かのために自分を費やす事は「後悔のない選択」に無限に近づく一歩なのだと思う。 彼らの人生の選択に関わった者として彼らの姿を通して自らの選択の意義を再確認し、元気をもらった日であった。(梁明順、会社員) [朝鮮新報 2008.10.6] |