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記念写真

 ワイワイガヤガヤと大勢の人が記念写真に入るため集まっている。前列はお決まりビロードの上品な椅子、次列はこれもお決まりのグレーの階段である。みんなどこに座るのか、立つのかわかっているように整列し始めた。

 前列の椅子には3年前に亡くなった舅とヒョンブ(姉の夫)、次列は父や母、私そっくりなお婆ちゃん、そして若い頃お世話になった先輩や恩師の姿が見える。

 そう私の周りで亡くなった順に前から整列している。回りは少しぼけているが、みんなニコニコしてカメラ側(私の方)に視線を移してくる。

 1年前の正月の夢である。いまでもくっきり目に浮かぶ不思議な夢だった。

 ちょうどその頃、乳がんの手術をして3年が過ぎようとしていた。

 今から4年前の正月明けに私は乳がんの手術をした。幸いに発見が早かったので、リンパへの転移もなかった。が、その後の再発予防のための化学治療は今も思い出すと胸が詰まるほどの苦しさであった。でも生きたいという思いと家族や友人の思いやりや愛情に助けられた。

 今年も例のごとく4年目の検診が行われ、再発はなく安心しているところだ。

 この頃は生きたいというよりも、生きなければという思いが湧いてくる。

 「私はどう死んでいく」のかと考えた時、その瞬間まで「どう生きるのか」という思いに駆られるからであろうか。

 日々の生活の中で喜びや楽しいことよりも悩みや苦しみ、悲しみの方が多いに決まっている。でも挫けない、負けない。今私の全細胞は、こんなイメージで生きていることを楽しんでいる。(辛錦玉、主婦)

[朝鮮新報 2008.4.4]