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年の瀬−心と向き合う

 朝鮮新報社で働きはじめて、ほぼ毎日欠かさず文章と向き合っている。今年も残すところあとわずかとなり、1年間の仕事を振り返ってみた。

 「教室で」7回、「朝鮮服飾ものがたり」35回、「みんなの健康Q&A」17回…。

 直接取材へ出向いたり、企画を立てて筆者を探し、打ち合わせを重ねて原稿のやり取りをしたり、締め切りに追われ、深夜や早朝にパソコンと向き合ったりの毎日。

 ここ数年は、とくに忙しく、のんびりと自分の時間をすごしたのはいつのことだろう? と思ってしまう。

 「忙しい」という字は、「心をなくしてしまう」ことを表している。筆者の仕事は、ある意味、さまざまな人たちの心と向き合い、それらを活字に置き換えるものである。

 今年は、東北や栃木など生徒の少ない学校での取材も行った。寄宿舎生活、遠距離通学の中でたくましく育っていく子どもたち。過酷な労働環境の中、歯を食いしばって教育現場を守っている教員たち。そして、学校を支え続ける保護者たち…。

 記事をまとめながら、取材対象者を思い、読者を思い、新報を配達する総連活動家を思い、新聞の集金活動に勤しむ同僚たちや、今夜も遅くまで働いているであろう記者たちの姿を思い浮かべる。

 直接、目には見えないけれど、いろんな人たちの思いや心が紙面にはいっぱいつまっている。まだまだ伝えきれていない内容もたくさんあるだろう。

 1年間の失敗や失礼を反省し、来年もたくさんの「心」と向き合い、世知辛い世の中を、腕を組んで突き進んでいく本紙読者の励みになれるようがんばりたい。(潤)

[朝鮮新報 2008.12.19]