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美術交流展−顔と顔が見える交流を

 神奈川県川崎市では、95年から毎年、川崎市教育委員会と在日朝鮮学生美術展神奈川実行委員会の主催のもと、「川崎市立学校児童生徒・神奈川朝鮮学生美術交流展」を開いてきた。今年も11月20〜25日に「第37回在日朝鮮学生美術展」と合わせて開催された。全国10会場で催されている同美術展のうち、地方行政機関である教育委員会との共催は神奈川展のみ。

 交流展の趣旨は、「両国児童生徒の親善・交流を深めるとともに、造形教育合同の促進を図る」ことにある。最終日には、朝・日両美術担当教員らの交流会も開かれ、新たな題材や指導法などについての研究が進められている。

 長年交流展に関わってきた菅生中学校・金井則夫校長は、「初期の頃、朝鮮学校の作品には、民族色の強いものが目立ったが、最近では日本で暮らす子どもたちの自由な発想に、作者の(民族的な)真剣な思いがバランスよく取り入れられた意欲的な作品が出品されるようになった。また、どの作品からも、朝鮮学校の美術教員たちの熱心な指導の姿が跡がうかがえる」と話した。

 南武朝鮮初級学校・成明美先生は、「14年間、振り返ってみると、大変な時期を乗り越えてきた」と語り、「02年の朝・日首脳会談後は右翼団体などからの妨害を恐れ、一時交流展の中断も考えたが、教育委員会はじめ日本の教員たちの熱意に支えられて、継続してこられた。朝鮮学校と日本学校の子どもと教員たちの、顔と顔が見える交流、声と声が通じる交流は、着実に実を結びつつある。この交流の灯火を消してはいけない」と強調した。(潤)

[朝鮮新報 2008.12.5]