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久しぶりの再会−子どもに「一生の財産」を

 先日、友人の結婚式に参加した。久しぶりの級友との再会。互いに「結婚したの?」「子どもは?」「仕事は?」と会話が弾む。

 隣の席に座った彼の子は日本の小学校に通っていた。朝鮮学校は市内にあり、通えない距離ではない。「なぜ?」と聞くと、日本の学校に通わせて勉強させるのだという。小4で塾通いも始めていた。地元の同級生や先輩、知人らが、「子どもを朝鮮学校へ」と説得したが、応じなかったという。良い学校、良い大学、良い企業へ―と考えているのだろう。

 先月、埼玉で開かれた子育てセミナーで、留学同の李全美さんは日本の学校に通っていた自身の体験を語った。秋田には朝鮮学校がないため通名で日本の学校に通ったという。家庭では「差別があるから勉強がんばれ」とプレッシャーをかけられた。朝鮮人としての自覚はあったが、通名を名乗る以上、出自は隠すものと思っていた。彼女はある授業中、教師の差別発言で「世界が崩壊するほどのショックを受けた」。大学入学を機に本名を名乗り、留学同に出会った。「チョンミ」と呼んでくれる人がいる感動を熱く語り、「隣に本名、ウリマルを使える人がいるという幸せをわかってもらいたい」と、参加者たちに呼びかけた。

 彼の子もいずれは自分が何者なのか悩み、どう生きるのかを考えるときが来るだろう。結婚式には遠方からも友人が駆けつけ、級友の人生の門出を心から祝っていた。

 「こういう友だちがいるのは一生の財産じゃない?」と彼に一言。そして、「子どもにも同胞の友だちを作ってあげてね」と助言した。(潤)

[朝鮮新報 2008.11.14]