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「高句麗の偉人たち」−朝鮮史のヒーロー身近に

 現代史を見る視点がゆがむと過去の歴史への洞察力も鈍ってくる。そればかりか、日本では朝鮮に対する植民地支配の清算が解決しておらず、古代史においてもゆがんだ歴史認識が横行している。

 古朝鮮、高句麗、渤海、高麗、朝鮮朝と脈々と続く隣国の文化的な影響力を認めず、否定し、その記憶すら抹消しようとする動き。さらに、昨今、高句麗を「中国の一地方政権」だとする事大主義的な言説にも敏感にならざるをえない。

 その意味でも、本紙連載中の「高句麗の偉人たち」が、話題を呼んでいるのも頷ける。

 高句麗の始祖王・朱蒙、領土を最大に拡大した広開土王はもとより、渤海創建1310年目にあたる今年、渤海の創建者・大柞栄、2代・大武芸、3代・大欽茂なども登場。渤海と日本の平安朝の間(約200年)に渤海から34回、日本から13回も使節が行き来している。豊かな文化交流の軌跡に新たな感動を覚える。

 本シリーズを途中から知って、掲載紙すべてを送ってほしいという依頼や問い合わせなども絶えない。すでに15回を重ね、来月にはひとまず終えることになる。

 筆者の゙喜勝・社会科学院歴史研究所所長は、岡山県倉敷市生まれの56歳。朝鮮大学校在学中に祖国に帰り、金日成総合大学歴史学部朝鮮史科に学んだ歴史研究者。「伽耶史」「初期朝・日関係史」など多くの著書を持ち、日本の歴史学者らの知己も多い。

 日本生まれで、祖国で学んだ専門家が書き下ろしの連載を担当するのは、63年を迎える本紙の歴史でも初めて。挿絵も祖国の美術家が描いた。この機会に朝鮮史のヒーローを身近に感じてほしい。(粉)

[朝鮮新報 2008.10.17]