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日本語文集−「大樹」を育てる

 長野朝鮮初中級学校中級部の生徒たちは1990年から、毎年全員が日本の作文コンクールに作品を応募している。生徒たちの作文指導をしているのは朴勝枝先生(53)。

 これまで「少年と親の主張大会」「長野県人権作文コンテスト」「『小さな親切』運動作文コンクール」「長野県読書感想文コンクール」など、10以上のコンクールに応募し、数々の賞を受けてきた。昨年だけでも「読売新聞第57回全国小・中学校作文コンクール」長野県審査で李慶和さん(中3)の「祖父を苦しめた過去」が優秀賞に輝いたほか、金歩美さん(中3)の「過去、現在、未来」と厳愛彩さん(中3)の「明るい未来のために」が「人権作文コンクール」松本地区予選で優良作品に選ばれた。

 これら日本語の作文は、日本語文集「大樹」にまとめられている。文集名は生徒たちが考えた。

 文集には、在日朝鮮人である生徒たちにしか書けない内容が収められている。それは、なぜ、在日3・4世である自分たちが日本で生まれ暮らしているのかというものだったり、日本の学校の友だちとの触れ合いだったり、差別のない社会を望む切実な願いだったりする。

 「1学期に中学生全員の作文の方向を示して夏休み前には完成するよう指導する。今年は20人が応募した。コンクールの入賞を機に、自信が芽生えて目覚しく成長する姿もたくさん見てきた。生徒たちの活躍は、保護者や同胞たちにも大きな励みになる」と朴先生は語る。

 「大樹」の根を温かく包む同胞社会と、養分を与えながら大きく育てていく先生の努力が文集にはたっぷり詰まっている。(潤)

[朝鮮新報 2008.9.19]