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女性の貧困化−オギャーと生まれて死ぬまで

 「権利とくらし 平和のための女性集会 ひろがる女性の貧困化−とりもどそう人間の尊厳を−」が4月27日、東京・女性と仕事の未来館で開かれ、日本各地から280人が参加した。主催は実行委とI女性会議。

 集会では、日本の「市場万能主義」政策によって、女性の2人に1人が非正規雇用者であり、低賃金と劣悪な労働条件を強いられているとして、講演とシンポジウムで学習を深めた。

 講演では、「ジェンダーの視点から『男性稼ぎ主』型生活保障システムを斬る」と題して、大沢真理・東京大学社会科学研究所教授が問題提起。シンポでは、「貧困から抜け出すために私たちはどうとりくむか」と題して、清水澄子・I女性会議常任顧問をコーディネーターに、神本美恵子・民主党参院議員、福島みずほ・社民党参院議員、大沢真理さん、堀越栄子・日本女子大教授がそれぞれの立場から発言した。

 いま、女性たちの多くは、労働権の保障がないまま自立を阻まれ、さらに、社会保障制度が次々と壊されていくなかで、女性高齢者の貧困問題が深刻化している。05年の厚生労働省調査で、生活保護受給者(約143万3000人)のうち高齢者が約55万5000人と38.7%を占め、さらにこのうち独り暮らしの女性は約23万6000人で男性の約15万9000人を大きく上回ったという。このような事態は在日の高齢者たちには、もっと深刻な影響を及ぼしている。年金制度そのものから排除されている在日高齢者らの存在を考えると、胸が痛くなる。

 「オギャーと生まれてから死ぬまで、女はビンボーのまま」(福島みずほさん)の現実を変えるべく、女性たちの闘いは続く。(粉)

[朝鮮新報 2008.5.16]