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動物園の人気者−日本から朝鮮半島へ

 動物園の人気者と言えば、ゾウ、ライオン、キリン、カバ…。中でもゾウは小さな子どもたちの人気者だ。

 日本にはじめてゾウがやってきたのは1408年6月22日。その記念すべき第1号のゾウは1411年、朝鮮の「大蔵経」を譲り受ける代わりに日本から朝鮮へと贈られた。日本初と朝鮮初のゾウは同じゾウだったのである。

 動物児童文学作家のキム・ファンさんは、昨年春、これら日本から朝鮮半島へ渡ったゾウたちの物語を一冊の本にまとめた。

 物語の主人公はアジアゾウのサクラ(雌)。

 サクラは05年、兵庫県宝塚ファミリーランドの閉園に伴い、93種約600匹の動物たちが引越しを迫られる中、ソウル大公園への受け入れが決まった。

 キムさんの話によると、過去に日本から朝鮮半島へ渡ったゾウは3頭いる。そのうち最初のゾウは、人を踏み潰したため「島流し」になり、2番目に渡ったゾウは戦争のために殺された。サクラは3番目に渡ったゾウ。

 本書「サクラ」(学研)は、ゾウを通して日本と朝鮮の歴史をわかりやすく紹介している。第1回子どものための感動ノンフィクション大賞受賞作品にも選ばれた。

 宝塚歌劇の舞台で演じたこともある「足あげの芸」を披露して、サクラはソウル大公園の人気物になったという。

 05年のソウル大公園の人気投票では、3200匹余りの動物の中で、朝鮮トラのペクトゥ、オランウータンの赤ちゃんのボミーに次ぎ、3位に選ばるほど愛されている。(潤)

[朝鮮新報 2008.5.9]