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民族教育を守りぬくための4.24教育闘争60周年を迎えた今年は、朝鮮学校にとって実り多い年だった。とくに同胞、保護者の熱い思いと地道な活動によって、朝鮮学校の処遇改善を求める声が広がった ▼朝鮮学校など、一部の外国人学校に対する税制上の差別的扱いの是正を求めた日本弁護士連合会勧告(3月24日)をきっかけに、7月から各地で展開された朝鮮学校の処遇改善を求める署名運動では、34万人以上の人たちが賛同し応じた。こうした流れを受け、兵庫・伊丹市議会(10月8日)、三重県議会(同20日)は外国人学校の処遇改善を求める日本政府にあてた意見書を採択し要請した。国連・自由権規約委員会は、補助金増額など朝鮮学校に対する差別の改善を求めた(同30日) ▼これらの成果は、一朝一夕で成就したものではない。長年にわたる朝・日市民交流と連帯、働きかけの積み重ねが実らせたものだ。伊丹の場合は、同胞女性が面識ある市議に署名を要請したところ、それでは市議会採択で政府に要請しようと、逆に提案されたのがきっかけだった ▼埼玉では、同胞の熱い思いに心を打たれた市議が自ら署名用紙を配り数百人分を集めた。大阪では、保護者と市議のつながりが国会議員の学校訪問につながった。また山口県での補助金増額は、同胞女性と日本市民による街頭署名、国連や日本政府への請願など、日常活動の結果だ ▼兵庫県で朝鮮学校運営に携わってきた関係者は「教育や人権に対する問題意識を常に持ち続ければ運動は広がっていく」と語る。心に刻みたい。(天) [朝鮮新報 2008.12.15] |