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春・夏・秋・冬

 新聞読者の減少が指摘されるなか、その要因を世代交代、とくに若い世代が活字を読まなくなったということに押し付ける向きが一部にある

▼それもあるだろう。しかし反面、書き手の質の低下が読者離れを引き起こしているという側面も忘れてはならない。どの記事を読んでも横並び、記事に深みがなく、さらには独自の視点も希薄。これではテレビの一報やインターネットで事実関係だけを知れば良いのではないかということになるのは当然の帰結である

▼8月、北京オリンピックが始まった頃から朝日新聞の伝統ある名物コラム「天声人語」の質が落ちたという話をよく耳にするようになった。確かに、一面的な社説の切り口などとともに、なんとなくそうした印象はあった。が、9月21日付のそれを読んで驚いた

▼「独裁」「影武者」「情報鎖国」「恐怖支配」というおどろおどろしい言葉を並べ立てて朝鮮と総書記を揶揄する。とりわけ「『本物』は数年前から公の場に出ていないといった憶測もにぎやかだ」といった記述。この「天声人語」の筆者は2000年以降、2度にわたる北南首脳会談をはじめ、朝ロ、朝中、朝・日首脳会談の事実、その他人士との会見ニュースにどう接してきたのかと思う。そして、ご丁寧にもそうした非常識の思考を甚だしくも「まとも」だと思い込んでいる「早大教授の重村」某の本にまで言及している

▼「ジャーナリズム崩壊」とは上杉隆氏の著書だが、にもかかわらず存在し続けているのは自己陶酔の世界ゆえか。デマの類、独断を撒き散らすのは止めるべきだ。(彦)

[朝鮮新報 2008.9.29]