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春・夏・秋・冬

 何の成果も得られなかった対朝鮮強硬策にまた戻ろうとしているのか。自民党の麻生新総裁は20日、「お隣にあやしげな国があり、そのあやしげな国のトップがふらふらしていると危なくてしょうがない。われわれはきっちり対応する備えをしておかねばならない」と述べた。一国のリーダーとなる人物の発言とは思えない良識のかけらも感じさせないものだ

▼日本政府は、何の根拠もない「健康不安説」に対応し、「朝鮮半島有事」を想定した危機管理体制を5年ぶりに更新する方向で検討に入ったという。南朝鮮での政権交代により、統一への動きは一時的に停滞しているものの、北東アジア情勢から鑑みれば、朝鮮半島での「有事」が起こるような要素などどこにもない。よほど「有事」が起こってほしいのだろう

▼その一方で、メディアは拉致問題の解決を求める集会などを大々的に報道し、世論の喚起に躍起となっている。あたかも、過去の清算という自らの果たすべき義務を消し去ろうとしているかのようだ

▼対朝鮮単独「制裁」に踏み切ったはいいものの、米国にはしごをはずされて迷走する日本の対朝鮮政策。軌道修正どころか、また強硬策に固執しようとするところを見ると、迷走していることにすら気付いていないようだ。米国が持ち出した「検証作業」により6者会談は停滞しているが、事態が進展することはこれまでの経過を見ていればおのずとわかる

▼福田首相の辞任に際し、朝鮮が次期政権の対応を見極めるため、拉致問題再調査の延期を通告したことの正しさが証明されつつある。(国)

[朝鮮新報 2008.9.24]