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春・夏・秋・冬

 米国発の金融不安が国際社会を恐怖に陥れている。サブプライムローンという名の、貧者を食い物にした金融商品の暴落がその根っ子にあることは多々、指摘されてきた。金儲けのためなら何でもありという米国式思考の蔓延がもたらした自業自得の所産だ

▼むろん日本も例外ではない。産地偽装やら消費期限の改ざんはもはや、日常茶飯事である。さらに、汚染米が「ライスロンダリング」によって、高級食品に化けてしまう御時世になってしまった

▼それにしても、こうした類のニュースに接していて不思議に思うのは、オウムのように繰り返される「食品の安全が脅かされている」という文言だ。稀な事件ならそうかもしれない。だが、もう耳にタコができるほど聞かされている出来事、安全などとっくに失われてしまっているのだ

▼しかし、汚染米が普通の食品に転化される経路を見ていると、その複雑なことにあらためて驚いてしまう。複数のダミー会社、仲買業者を経ている間に「普通のコメ」になり商品化されて市場に出回る。これが中曽根政権時代に端を発し(国鉄の民営化)、小泉政権時代の「郵政民営化」に象徴される「民の活用」「規制緩和」だったのかと思うと唖然とせざるをえない。日本の平和運動の中心を担ってきた労働組合潰しといわれる所以か

▼金融不安は、米当局が9兆円の公的資金を投入して世界最大手の保険会社救済に乗り出したことで一息ついたようだが、市場競争原理を優先させてきた米当局にとっては禁じ手。ドル支配は名実共に終焉に近づきつつあるのか。(哲)

[朝鮮新報 2008.9.19]