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春・夏・秋・冬

 李明博政権は8月27日、軍将校に接近して軍事機密を入手し北に「通報」していたという「偽装脱北女スパイ」を摘発、逮捕したと発表。以後、追加情報を小出しにしながら対北対決の雰囲気を大々的に煽っている

▼祖国平和統一委員会は2日、スポークスマン談話を通じて、李政権の発表した「女スパイ」なるものが北で「罪を犯して逃走した犯罪者」である事実を公表。犯罪逃走者に「『スパイ』という物々しいレッテルを張り付けて資料を加工、ねつ造した謀略劇である」と厳しく断罪した

▼事件発表直後から、南でも眉唾物ではないかとマスコミが疑義を唱えている。連合ニュース(8月31日)は陳述内容について、矛盾だらけであり「スパイ」なのかどうか疑われると7項目について言及。続いて京郷新聞、ソウル新聞、朝鮮日報(それぞれ1日付)、さらにハンギョレ新聞なども疑問を呈した。突然の「スパイ事件」摘発にみな、首をかしげているのだ

▼「軍事機密と言われている基地の所在など、インターネットで検索すればみな出てくる」。それにしても「パソコンを扱えないのにインターネットで検索ができるのか」―実際に疑問の山だらけである

▼犯罪を起こして逃亡しながら、脱北者だと名乗り出て南に渡り支援金を手にする。金がなくなれば南社会でも犯罪に走るというのがだいたいのパターンだ。大統領は、太陽政策による社会の緩みが今回の事件の根っ子にあると発言したが、裏返すと6.15時代と決別する材料に脱北者を使ったのだろう。そこらの詐欺師と何ら変わらない。(哲)

[朝鮮新報 2008.9.8]