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また、日本の内閣総理が政権を投げ出してしまった。これで2代連続。安倍前首相は所信表明演説後の辞任という、政治家としては最低の行動だった。今回は、その二の舞いを避けようと苦心惨憺したようだが、それにしても政治家なら誰もが目指す最高ポストをいとも簡単に投げ出すとは、えらく安っぽい存在になってしまったものだ ▼原油高、そして物価上昇、景気後退、来年初に期限を迎えるインド洋での補給支援特措法などを巡る公明党との軋轢…満身創痍、さらに待ち構える総選挙という恐怖。人事ながら、逃げ出したくもなるか ▼実は辞任劇の数日前、ある集まりで「9月に入れば福田総理は辞任する」と語っていた人物がいた。聞けばネタ元は「ワシントンの米政府関係者だ」という。あってもおかしくはない話だと、一同は相槌を打ったが、それよりも感心したのは、同盟国であれ何であれ他国の内部動向調査・分析作業を日常的に行っている米国のメカニズムだ ▼日本が水面下で、密かに準備してきたはずの2002年の小泉第1次訪朝時、米政府がその動きを1から10まで把握していたというのは有名な話だ。四方八方に張り巡らされた網が機能した訳だ。それにしても、福田首相就任の際の「拉致問題を解決して日朝国交正常化を図る」という公約は今後、どうなるのだろうか。当面、瀋陽での実務会談合意の行方はどうなるのか、最大の関心事である ▼しかし、ざっと見渡しても人材不足。泥を被ってまで次期政権が合意を順守するという保障はない。まさに資質が問われている。(哲) [朝鮮新報 2008.9.3] |