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春・夏・秋・冬

 既報のように、中国・瀋陽で開かれた朝・日政府間実務会談。「平壌宣言に基づき不幸な過去を清算し、懸案事項の解決のために全力で協議し具体的な行動を取ることを確認した」。「具体的な行動」とは「拉致問題の再調査を実施」(朝鮮)し、「朝・日関係改善、雰囲気醸成のための措置をとる」(日本)ことだ。これらの行動は「並行」して実施される

▼しかし、奇妙なことに日本政府はこの実務会談の合意全文を今に至るも発表していない。冒頭、紹介した内容は朝鮮側が発表したものである

▼日本側は「拉致問題の再調査」云々という部分だけをことさら強調するが、これでは「拉致問題の再調査」が終わらないと「制裁の部分解除はしない」などという誤った認識をまた、日本の世論に与えかねない

▼この点については、日本外務省担当の記者たちも同じ様に指摘する。「平壌宣言に基づき不幸な過去を清算する、となれば、実務会談は単純に双方の懸案を解決する性格のものではなく、国交正常化を視野に入れた会談ということになる。国内では行動面だけが強調されているが、趣はまったく違ってくる」と

▼今会談の席上、朝鮮側団長の宋日昊大使は6月の会談で約束したはずの「制裁の部分解除」をしなかった日本側を厳しく追及したという。ところがこの問題、日本国内では「拉致再調査」との同時行動だと説明された。それが事実なら宋大使が追及するはずがない。日本政府は核心部分の発表を避けているということになる。日本がこうした対応を続けると、会談はまた暗礁に乗り上げるだろう。(彦)

[朝鮮新報 2008.8.22]