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春・夏・秋・冬

 朝・日外務省間の実務担当者公式協議が11、12の両日、中国・瀋陽で開催されることが決まった

▼前回、6月中旬の協議で合意した「拉致問題の再調査実施」「『よど』号関係者問題の解決のために協力」(朝鮮側)、「人的往来、チャーター便の規制解除」「人道的支援関連物資輸送を目的とする共和国船籍船舶の入港を許可」など制裁の一部解除(日本側)という同時行動について、どのような話し合いになるのか注目される

▼しかし、一部の報道によると、日本側は「拉致問題の再調査」について「生存者を発見し、帰国させるための調査と位置づけている」という(朝日新聞7日付)。「結論ありき」、これでは話し合いにはならないだろう。こんな論理では、朝鮮側が「制裁の一部解除が即座に発効される事が担保されない限り再調査内容は開陳できない」という立場を取ってもおかしくない

▼この一カ月間、「再調査」に関わる訳のわからない報道が洪水のように溢れた。「4人生存説」から、はてには数十人の「生存者帰国説」まで、日本のマスコミの対応は、まるで「拉致ゲーム」を楽しんでいるかのようだ。人道だなんだと騒ぎながら、それを隠れ蓑にした人権蹂躙、感覚が麻痺してしまっている

▼2002年9月の平壌宣言発表以降、「北朝鮮と言えば拉致という世論はマスコミが作り上げた」というのは、今や国会議員たちも口にする事実である。そのマスコミに寄生して生活費を稼ぐいわゆる「識者」たち。悪循環と自家撞着、歪んだ思考が自らの出口すら見つけられないようにしてしまっている。(彦)

[朝鮮新報 2008.8.8]