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春・夏・秋・冬

 世界情勢を知っていて発言しているのか。あるいは流れがまったく読めていないのか。いずれにしても一国のトップを務めた人物の発言とは思えない

▼安倍晋三前首相は29日のCS番組で、6者会談で拉致問題の解決にこだわれば日本は孤立するとの指摘について「国益は拉致問題を解決することだ。プロセスとして一時的に孤立することを恐れてはならない。それは真の孤立ではない」と強調した

▼その一方で、米国が「テロ支援国家」指定解除を決めたことについて、「申告には大変な欠陥がある。それに対して米国が切ったカードは、譲歩としてはあまりにも大き過ぎる。大変残念だ」と述べながら、「米国を一方的に非難するのは慎まなければいけない。日米を離反させるのが北朝鮮のもくろみだ」と米国批判をトーンダウンさせた

▼朝鮮の「もくろみ」がどうであれ、孤立を恐れないのであれば、これまでのように米国批判を続ければいいのではないか。日本政府に対しては、「功を焦ったり、近道を通ろうと思い、北朝鮮の思うつぼにはまってはいけない」と述べるかと思えば、「決してゲームが終わったわけではない。ここが正念場」と言う始末。自らは政権の座から逃げ出しておいて、いまさら政府に注文をつけるという感覚はまったく理解できない

▼「拉致問題の解決」を前面に打ち出し単独の「制裁」を実施したものの、なんら進展がなかったのは周知の事実。最近では朝・日関係の進展を目指す政治家を個人攻撃するなど、その言動や行動はもはや「負け犬の遠吠え」としか映らない。(国)

[朝鮮新報 2008.7.30]