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春・夏・秋・冬

 政界を中心に朝・日関係打開への声が高まるにつれ、存在感が薄くなっていく安倍前首相、中山首相補佐官らが最近、そうした印象を意識的に打ち壊そうと持論の展開に躍起となっている

▼持論とは、いうまでもなく自らが手を下した対朝鮮制裁の継続、そして強化である。その根底には「困ったという思いが出なければ対話に応じないだろう」との、この国の道を誤らせてきた途方もない判断がある

▼安倍前首相は、打開へと動く山崎拓元自民党副総裁や加藤紘一元幹事長らに対する個人攻撃にシフト。さらに、「テロ支援国家」指定解除を決めたブッシュ政権にも矛先を向けている。しかし、いくら騒ごうとももはや過去の人。そんなに口惜しいのなら、なぜ政権を投げ出し逃亡したのか、いやはやまったく理解の度合いを超える

▼中山補佐官は、6月の朝・日実務会談での「拉致問題再調査」について「(横田めぐみさんらの)生存を前提に見つけ出し、(日本)帰国のための調査を約束させた」と「解説」。また「拉致問題の解決」とは「被害者全員帰国、真相究明、実行犯引き渡しの実現」だと言い、「安倍氏と福田首相の間で北朝鮮政策の基本線はまったく変わっていないと言い切っていい」(産経新聞)と自信たっぷりに明言した。首相補佐官だけに、中山氏の発言は福田首相も了解済みのものだと理解しても差し支えないのだろう▼それにしても、高村外相も誰も中山氏のような「解説」はしていないと記憶する。「行動対行動」の中味はそうしたことだったのか。今後の展開に責任を持つべきだろう。(彦)

[朝鮮新報 2008.7.25]