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6者会談の最終的な目的は、指摘するまでもなく朝鮮半島の非核化にある。非核化とは裏返せば平和地帯化でもある。朝鮮は停戦協定下、軍事境界線からの軍事力の引き離し、さらには削減など具体的な提案を80年代からたびたび行ってきた。6者会談に応じた理由は、朝鮮半島に恒久平和をもたらそうとの一心からであった ▼ところが朝鮮半島が非核化されたとして、それで朝鮮に対する軍事的脅威がなくなるのかといえばそうではない。「朝鮮敵視」を根底にした軍事戦略が白紙化されない限り、朝鮮だけの努力では恒久平和は望めない ▼先月29日から今月末までの予定で米、英、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、日本、南朝鮮、シンガポール、チリ、ペルー海軍参加の下、リムパック2008演習がハワイ周辺海空域で実施されている。潜水艦6隻を含む艦船41隻、航空機150機、参加兵力は2万人を超える。そのうち日本からは、イージス艦1隻を含む潜水艦など5隻、対潜哨戒機などが動員されている ▼冷戦時代の1971年に始まった同演習は今回で21回になる。ソ連崩壊後も継続されてきたのは、ソ連に代わって矛先が朝鮮に向けられたからだ。演習では、多国籍海軍による仮想敵国を設けての索敵行動、水上戦闘、艦対艦、艦対地ミサイル攻撃などが展開されている。演習場所が遠方のハワイ沖とはいえ、目的が明白なだけに朝鮮にとっては脅威以外の何物でもない ▼使い古された言葉だが、対話の一方での軍事演習―非核化、平和地帯化までの道のりはまだまだ遠い。(哲) [朝鮮新報 2008.7.14] |