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厳戒体制下、洞爺湖サミットが終わった。地下鉄の駅に設置された自動販売機の硬貨投入口までガムテープでふさぐという、異様な光景までが現出した。いっそうのこと、南極かどこかでやってもらったら警護も容易だろうし、税金の節約にもなると思うのは筆者1人だけではないだろう ▼そのサミット、地球温暖化防止が主要テーマの一つになった。そうなら、せめてCO2排出規制の範を示すために車での移動をいっさい止めるような措置が取れなかったものだろうか。論議していることと行動のアンバランス ▼アンバランスといえば、朝米核問題についての米中と日本の対応もそうだ。福田首相は中国の胡錦濤国家主席との会談席上「北朝鮮の核放棄に成功した場合でも、拉致問題が解決しなければ国交正常化はない」と語った。これに対し、胡主席は朝・日の接触と対話を強化するよう切り返えした ▼ブッシュ大統領は「拉致問題を忘れない」とたびたび口にした。その一方でライス国務長官は、米誌「フォーリン・アフェアーズ」の寄稿文で、6者会談を「北東アジア平和安全保障機構」のような形態に発展させていきたいという米国の目標を明確にした。中国も「北東アジアの平和・安定の大局に重きを置く」(1日の外交部定例会見)という表現で同様の認識を示した。それぞれ、6者会談第3段階への突入を念頭に置いたものである ▼前述した福田首相発言、米中の位置からすると相当、距離があることがわかる。多国間協議で我を通し続ける事はできない。同盟は形骸化しつつあるのか。(彦) [朝鮮新報 2008.7.11] |