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朝・日政府間実務会談で拉致問題の再調査、対朝鮮制裁措置の部分解除など、三項目について双方が行動していく事が発表された。今後、さらに協議して細部を詰め具体化していくという ▼6者会談構成国にもかかわらず、自らの果たすべき義務から顔を背け、その一方で対朝鮮制裁、在日朝鮮人弾圧に狂奔していっさいの接触を拒否してきた日本が昨年9月のウランバートル以来、ここに来て協議に応じたのはなぜか、今回の協議を福田政権はどう位置付けているのか―国交正常化へと向かうのかどうか、関心事は山積みだ ▼今の時点でひとつ指摘されているのは、三つの行動指針を明確にした今回の実務会談を踏まえて、6者会談10.3合意履行問題はまもなく完了するだろうという事だ。米政府が「テロ支援国家」指定など、朝鮮敵視政策の象徴ともいえる措置の解除に踏み切れば朝米関係は飛躍的に前進する。米政府が取ってきた貿易、先端技術、金融など様々な分野にわたる制裁の解除にもつながっていくからだ ▼こうした朝米関係の変化は必然的に日本にも大きな影響を与える。日本政府首脳が常日頃強調している同盟関係にあるからだ。それも単なる同盟ではない。「核の傘」を提供された、どの国のそれよりも優先するものである ▼前世紀、軍国主義日本の思考そのものの安倍前首相らは制裁の一部解除はもとより、米政府の「テロ支援国家」指定解除に必死に反対している。朝米、朝・日関係の改善、進展は彼らの全否定につながるからだ。福田首相の指導力が問われている。(哲) [朝鮮新報 2008.6.16] |