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春・夏・秋・冬

 米スペースシャトル「ディスカバリー」に搭乗した日本人宇宙飛行士が、国際宇宙ステーション内に日本の有人宇宙施設実験室を設置する事に成功した。日本の宇宙進出にとって、象徴的な事件といえるだろう

▼宇宙空間を利用する権利は、国際社会のすべての国々に認められている。それだけにとやかく言う事ではないが、先月に参院本会議で「宇宙基本法」が可決・成立された事実を踏まえると、宇宙軍拡の第一歩ではないかと危惧する

▼同法の第14条は「国は、国際社会の平和及び安全の確保並びに我が国の安全保障に資する宇宙開発利用を推進するため、必要な施策を講ずる」と明記している。「平和の目的に限り、進んで国際協力に資するため」宇宙の開発・利用を行うとした1969年の国会決議(全会一致)と比較すると、「平和」の文言が削られ、それに代わって「安全保障」が補充されている。明らかな後退、改悪である

▼日本は米国主導の、宇宙空間で弾道ミサイルを迎撃するというミサイル防衛(MD)計画を推進している。つまり「国際社会」=米国と「我が国」=日本、宇宙基本法の制定はMD計画にもう一つの正当性を付与する事にもなる。ちなみにMD計画が朝鮮、中国を念頭に置いている事は米日防衛関係者の発言などから明白だ▼「世界平和アピール七人委員会」など識者、平和団体は「自衛の名の下に宇宙開発を『軍事化』に拡大させる危険性をもつ」と再検討を求めている。「夢とロマン」の影で進められる軍事利用、朝鮮半島の平和にも直結している事を忘れてはならない。(彦)

[朝鮮新報 2008.6.6]