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春・夏・秋・冬

 民主、国民新両党議員による「朝鮮半島問題研究会」の岩國哲人会長が語った「日本国民は拉致問題に拉致され、自縄自縛に陥っている」という発言が一部で取り沙汰されているという

▼この発言、正確には「安倍前首相と当時の警察庁など公安部門の首脳が日本国民を拉致問題に拉致」させ「自縄自縛に陥らせた」と表現すべきだろう。本人も絡まってしまって、最後には政権の座から逃亡してしまった

▼2002年9月の朝・日平壌宣言発表後、今日までの「失われた5年余」、拉致問題を肥大化させて世論を誤らせた手口はどういうものだったのか、そこにはどういう仕掛けがあり(例えば総連と拉致を結びつけた問題や総連中央会館問題など)、米CIAやイスラエルのモサドなど諜報機関との連携、関与はどういうものだったのか−前政権が検証されるべきテーマは幾つも残っている

▼この間、「自縄自縛」というより、萎縮し自己規制してしまったのがマスコミである。ある担当記者は「正論を吐けば袋叩きにあう。政権の目を気にする社内、読者、圧力団体から」と語る。状況は今も変わらないのだという。だから政権に便乗して「北朝鮮叩き」をする。どこからも文句は来ないし、逆に取材もしやすくなる。「自ら失ってしまった5年余」である

▼6者会談の進展の過程で、ようやく日本も「バスに乗り遅れてしまう」事に気づいたようだ。「日朝国交正常化推進議員連盟」が超党派70余人の国会議員参加の下に発足した。また「いつか来た道」にならないよう、平壌宣言の履行にまい進してほしい。(哲)

[朝鮮新報 2008.5.26]