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春・夏・秋・冬

 朝米関係の進展を望まない米国内の保守勢力が、ここに来て大勢を覆そうと躍起になっているようだ。これまでも「北朝鮮の脅威」をうんぬんしながら、「核先制攻撃」などを主張してきたが、今回は「北朝鮮による核の拡散」を強調している

▼ワシントン・ポストのコラムニストは23日付の同紙に、米情報当局が朝鮮とシリアの核協力について確信を抱いていると書いた。情報当局の高官が電話会見で明らかにしたそうで、「われわれの疑惑は正当で妥当なものだ。多くの精査をした。関係者は確信を持っている」と語ったという

▼すでに4000人以上の米兵が犠牲となった、イラク戦争直前のことが思い起こされる。当時、パウエル国務長官が演説で「大量破壊兵器の決定的証拠がある」と述べたことで、国際的な反対を押し切って米国はイラク戦争に踏み切った。結局、後の調査で大量破壊兵器も開発計画もなかったことが明らかになった

▼朝鮮はこれまで、シリアへの技術協力について、元来、存在しないものであり、今後もありえないと機会あるごとに強調してきた。そもそも米国が持ち出した高濃縮ウラン核開発計画についても、終始一貫してその存在を否定してきた

▼技術協力であれ、高濃縮ウラン計画であれ、「証拠」があるのであれば世界に提示すべきだ。ねつ造された情報によって起こされたイラク戦争が泥沼化している現状では、なおさらのことだろう。その一方で、根拠のない「情報」に飛びつき、朝鮮のイメージを落とすことに血眼になっている日本のマスメディアも問題だ。(国)

[朝鮮新報 2008.3.26]