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米国のサブプライムローン問題に端を発した国際社会の金融不安。今月に入ってから急速にドル安が進み止まらない。円は一気に90円台に突入した。ユーロ、中国元も軒並み上がり続けている。その中で唯一、値下がりしているのが南朝鮮のウォンである。円に対しても同様で、対ドルレートの値下がり幅は9年7カ月ぶりの最大値を示している。経済を売り物にした李政権、出鼻を挫かれた格好だ ▼内政、党内においても問題が噴出している。「不正蓄財」の発覚による閣僚内定者の相次ぐ取り消しに続き、今度は4月の総選挙を巡る党内候補公認選定過程で朴槿恵前代表との対立が表面化している ▼先月から行われてきた245選挙区の公認候補者選びで、朴派の現職議員が次々に落とされ、結果的に李派が157人、朴派は三分の一以下の44人に止まった。朴氏は「これほど基準のない公認は初めて。選挙が終わっても党は和合しがたい状況になるだろう」と怒りをぶちまけたという。昨年夏の大統領選挙候補者選び以降、予測されてきた李・朴対決が現実味を帯びてきた ▼一方、盧政権下で任命された各省庁傘下の団体責任者らを「追放」する動きが表面化している。「ハンナラ党」幹部や新閣僚らが「前政権寄りの責任者は自ら身を引くべきだ」と公然と圧力をかけた ▼李大統領はウォン安ドル高の経済危機の中、政治の安定が最重要だと指摘したが、内情は裏腹だ。北南関係においても同様だ。見かねた金大中元大統領は「南北関係を悪化させるな」と釘をさした。果たして聞く耳を持っているだろうか。(彦) [朝鮮新報 2008.3.21] |