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南朝鮮の夕刊紙・文化日報5日付は、就任から10日を迎えた李明博政権に対する世論調査の結果、支持率が56%だったと報じた。就任直後の政権には「期待感」という祝儀込みで、どこでもだいたい高めに出るものだ。盧前政権は70%を超えていた。それを考えると、大統領選挙での圧勝にも関わらずこの低い数字、どう判断すればよいものか ▼李政権発足直後にソウルを訪れた人たちによると、世論は案外、冷静に李政権を見ているという。経済の回復、成長を前面に打ち出したが、失速する米国経済などを見ていると本当に可能なのかどうか、懐疑的になっているらしい。だから「4月の総選挙でも過半数に届くかどうか」という感触だったと語る ▼閣僚内定者が相次いで入閣辞退に追い込まれた事件の余波もある。いずれも不動産投機に関わる。女性家族部長官内定者は46カ所、環境部長官内定者は地元民以外の所有が制限されている農地1300坪を含む最低7カ所を所有していた ▼統一部長官内定者も土地投機疑惑が発端。いずれも不正入手が指摘されている。野党は「政権の道徳性に問題がある」と追及し、総選挙を控えているだけに与党が詰め腹を切らせたというのが真相だ。「トカゲの尻尾切り」人事だけに、火種がすべて消えた訳ではない ▼李大統領は来月にも米日を訪問するという。「同盟関係再構築」の旅と位置づけている。一方で盧政権下での対北政策の大幅な変更も検討、総選挙後の6月頃に発表するという。外勢依存か「わが民族同士」か、政権の有り様が問われる。(哲) [朝鮮新報 2008.3.10] |