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春・夏・秋・冬

 近年、一部の朝鮮問題専門家の間で、6者会談と朝米問題を経済的視点から分析しようとする試みが行われている。動機は「悪の枢軸」と呼び、直接であれ間接であれ対話をいっさい拒み、さらに強大な軍事力を擁する米国がハンドルを切り返してなぜ朝鮮に接近しようとしているのか、政治的視点からだけでは理解できないというのだ

▼反面、朝米が軍事的に厳しく対峙していた時期にかかわらず、欧州連合(EU)、さらにその加盟国がいち早く朝鮮と国交樹立に踏み切った背景として、レアメタルに代表される豊富な地下資源の存在など、経済的視点を指摘する

▼実際、EU委員会・議会、ドイツや英国、そしてEU加盟国ではないもののスイスなど朝鮮との交流・協力は活発である。米国の同盟国である英国は、6.15共同宣言発表翌年の2001年に政府後援の民間投資使節団を訪朝させて以降、金や石炭、レアメタル、さらに道路、鉄道などへの投資も模索してきた

▼こうした動きは現在も続いている。ファイナンシャルタイムズ(1月21日付)は「英国を中心に一部のファンドが投資を増やして」おり、ある投資会社は朝鮮の「合作会社に対する投資目的のファンド造成に乗り出した」と報じた。また既存の朝鮮開発投資ファンド(CDIF)も、最低5千万ドル以上の投資資金の増額を決めたとも

▼すでに出遅れてはいるものの、EUの独断場にはさせないと米国が動き始めた−というのが前出専門家たちの指摘だ。中国の存在もある。そして北南。名前の挙がってこないのは日本だけだ。(哲)

[朝鮮新報 2008.2.4]