|
米アリゾナ州で新年を迎えた友人がいる。レンタカーで西から東、そして東から西へと巡ったというが、ガソリンスタンドの所在の確認に頭を悩ましたとの事。広い米国を再確認する一方で、ガス欠が死につながる恐怖も実感した ▼その友人、「米国企業の将来は暗い。少なくとも航空業界は」という。何を根拠にしてのことなのかと訊ねると、アナウンスなき離陸時間の遅れ(2時間も機内に閉じ込められたという)、その間乗客の不安をよそに、お菓子を頬張りながらスチュワーデスと雑談する機長、携帯電話使用者の放置、そして機内を見渡せばところどころ破損した座席等など ▼米大統領選挙の候補者を選ぶ予備選挙の様子については(その取材のための訪米だった)、地方での盛り上がりはいまいちだったという。それよりも、景気の減速が市民生活を直撃しており、凋落する一方の「ドル帝国」を実感したとの事だ ▼選挙は水物とよく指摘されるが、米大統領選挙は民主党候補の当選が確定的に語られている。その有力候補の一人、ヒラリー上院議員の夫、クリントン元大統領はヒラリー政権誕生の暁の対朝鮮政策について6者会談を維持=直接対話の継続を明言した。さらに、現政権の一国主義路線は取らないとも ▼周知のように、クリントン政権との間では朝米ジュネーブ合意が成立し、国交樹立などを明記した共同コミュニケが発表され、現職の米高官としては初めてオルブライト国務長官が訪朝した。「核廃棄が進めば良い事が起きる」と予測するが、その前に互いの約束事を守るのが先決だろう。(哲) [朝鮮新報 2008.1.28] |